自閉症裁判/佐藤幹夫

4896918983自閉症裁判―レッサーパンダ帽男の「罪と罰」
佐藤 幹夫
洋泉社 2005-03

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(ネッ友さんたちに「またか」と思われて呆れられ、さては引かれてしまわないかと心配しながらも、やっぱりこの手の本を読む)

「累犯障害者」を読んだ時、障害者が犯した事件と裁きの結果において、とても象徴的な事件だと言う印象を受けたので、この本を借りてきました。
事件は2001年4月東京浅草、レッサーパンダのニット帽をかぶった知的障害のある男によって、女子大生が殺されてしまうというもの。
しかし、裁判は、男が「自閉症」であると言うことを加味しない判決となって、無期懲役。(その後控訴しましたが、被告自ら取り下げたとのこと)
行きずりの一般人を一方的に殺してしまう、ということはもちろん、障害者であれ健常者であれ許される事ではない。
亡くなった女性の家族の方々の言葉を聞いて(読んで)いると、辛さ悲しさが伝わりいたたまれません。
しかし、決して公正とは思えない障害者を取り巻く司法のあり方を見て、日本の福祉と言う点でも多いな疑問を提示しています。

しかし、「累犯障害者」を読んだときも思ったのだけど、この事件の陰にいる「被告の妹さん」というのがとっても気の毒なのです。彼女の事を知りたくてこの本を読んだと言っても過言じゃないです。

妹さんは、つまり兄が知的障害者で昔から手を煩わされてきたのですが、父親も実は知的障害者だったのです。(母親は既に他界)
でもそれを知らずに、当然障害者手帳なども持たずに、ひたすら父親の面倒を見るだけの生活。働いても働いても父親が賭け事などに使ってしまう。そうして癌に侵されてしまうのですが、その病気の時も自身の病院代を支払うために、働いています。しかし、それでも父親が使ってしまう。そんなときに起きたのが兄の刺殺事件。
しかし、皮肉な事に、この事件がきっかけで妹さんは、共生舎という障害者の支援グループの援助を受ける事ができるようになったのです。
しかし、そのとき既に命はわずか数ヶ月と、限られていました。せめて数ヶ月楽しい事をしよう、と言う共生舎の人たちの提案に「25年間生きてきて、楽しい事は一つも無かった」と言ったらしい。
残りのわずかな期間だけでも、共生舎の人たちの充分なケアを受けて少しでも幸せな時間を持てたようなので、その点救われる気もするのですが、こんなにも困窮している家族(困っていたのは妹さんだけだったのだけど)を、公共の福祉は何の手助けもしてない。癌の手術を2度も受け、いたるところに転移もあり、そんな体でも自分の病気の必要経費のために働かなくてはならない・・・もっと早くなんとかならなかったのかと、無念と言うか腹立たしいと言うか。
父親にも兄にもお金をせびられ、自分のために買ったものも持ち出されて金に換えられる生活。
なんとかならなかったのか。それしか言葉が出てきません。




そして、また他にも読んだ「事件モノ」ふたつ。↓
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17:23 : [本・タイトル]さ行トラックバック(1)  コメント(6)

再婚生活/山本文緒

再婚生活
再婚生活山本 文緒

角川書店 2007-06
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starおかえりなさい、そして待ってます。

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めちゃくちゃ久しぶりに読んだ、ヤマフミさん。
鬱病と闘ってらっしゃったのですね。あ、闘うって言う言葉は正しくないのかもしれませんが。
この本の中で前半は、最初の入院から4ヵ月後、まだまだ治りきってない所からスタートして再入院するまで、そして後半はそれから一気に3年ぐらい飛んで、ほぼ治ってからのモノ、どちらも日記です。
前半はともかくキツかった。。。欝がこちらにも忍び寄ってきそうでした。「嬉しいと感じることが少なくなってきたのは感性が鈍ってきたのか」とか「生活は細かい事の積み重ね、どこかで面倒くさいと思ったら雪崩のように全部面倒くさくなって、放浪の旅に出てしまいそうになる」とか(原文ママではない)読んでてうなづける部分が一杯あった。でも、色んなタイプの症状があるだろうから、いっそこんなふうに体に出てしまって「入院→治療→治癒」と進めたのは、こう言っては顰蹙ですがヤマフミさんはラッキーだったのかも。いろんな意味で結構イタイ作品でした。読むのやめようと思ったんだけど、こんなに精神的にきついのに頑張って書いてるヤマフミさんを見届けたかった。
でも、後半穏やかになっているヤマフミさんの文章は、胸にジワーんと迫るものがあり感動。特に王子(だーさま)との会話なんか涙なくしては読めない。王子の気持ちを慮るヤマフミさんの気持ちを思うと、泣けました!
13:21 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(2)

small planet/本城 直季

4898151728small planet
本城 直季
リトルモア 2006-04-08

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本城直季さんという写真家の方の写真集です。
「風景を模型のように撮る」のだそうです。
どの写真を見ても、とっても普通の風景には見えない!!
ほんとに「模型」「ミニチュアの町」のように見える!
すごく不思議!!
しかもおしゃれで綺麗。
愛地球博の写真もあって目を引きました(笑)。
↓奥田英朗さんの新刊「家日和」の表紙の写真も彼の手によるもの。
一度じっくり見て見てください。
とても「本当の風景」には見えないですよね!!


4087748529家日和
奥田 英朗
集英社 2007-04

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21:28 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(1)

殺戮者は二度わらう―放たれし業、跳梁跋扈の9事件

4101239169殺戮者は二度わらう―放たれし業、跳梁跋扈の9事件
「新潮45」編集部
新潮社 2004-05

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新潮45シリーズの4巻目。

犯罪の被害者になるのは、加害者と出会ってしまうと言う不運が招く不幸だと思うけど、日常生活でそうとは知らず出会ってしまうのも不幸だけれど、なんの前後も脈絡もなく、ただ偶然にその加害者と出会ってしまった人もまた不幸です。

名古屋アベック殺人事件・・・同じころに起きた「女子高生監禁コンクリート詰め殺人」とともに世間を震撼させました。「未成年者による残虐な事件の双璧をなす」と言われます。
この事件はわたしにとってもわりと近い場所の事件で、被害者の二人が不幸にも加害者のろくでなしどもに遭遇してしまった大高緑地公園に、学生時分にわたしも行ったことがありました。ので、事件が起きた時は薄ら寒くなりましたが、こうして事件の全容を改めて振り返ると薄ら寒いどころか背筋が凍り、暗澹としてしまいます。
特筆すべきは「犯人」たちの「その後」。加害者のうちの一人に対するインタビューがあります。その中で彼は、自分が賠償金を払っていない事を悪びれもせず、また、被害者への謝罪などに対しては「後ろを振り返らず、前を向いて歩きたい」と言う言葉で済ませてしまう。被害者へ果たすべき責任の数々は彼にとっては「後ろ向き」なことであり、「前を見て」生きる彼にはごく普通の家族が居て彼らを守る真っ当な父親なのだ。

神戸大学院生が、たまたま出あったヤクザに因縁をつけられ、惨い暴行の末に殺された事件は、その加害者のヤクザたちに憤りを覚えると共に、事件に対してまったく真剣に向き合わずにみすみす被害者が死ぬのを傍観していたような体の、警察官たちに深い不信感を覚える。

ともかく、恐ろしい事件の数々。どよんと落ち込んでしまいますがどうしたことか、この手の本が好きでついつい読んでしまう。


本当に怖いのは、ユーレイでもなく悪霊でもなく、人間です。
20:59 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

少年にわが子を殺された親たち/黒沼 克史

4794209134少年にわが子を殺された親たち
黒沼 克史
草思社 1999-10

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1999年に発行された本。先日「中学生に薦めたい本」と言うコンセプトのくくりの中にこの本が入っていたので、読むことにした。


確かに情報としては古い。この本が発行された後も少年たちによる残酷な事件は後を絶ちません。でも、少年犯罪の被害者たちの心情に新しいも古いもない。何年たっても癒される事のない苦しみの中でもがくように生きている人々の姿がここにあります。

突然に愛する子どもを失った親御さんたちの慟哭が聞こえるようで、こちらも泣けてきます。本当にむごい事が許されているのです。


1992年、9人の少年に激しい暴行を受けて死亡した田本任(たもとまこと)君の親御さんである田本氏を発端に(言うまでもなく少年犯罪被害者は、田本さんが一番最初ではないのです。それ以前からあったのです)著者は長い時間をかけて丁寧に6つの被害者に接触し取材し、彼らが「少年犯罪被害者の会」を立ち上げるまでを本書にまとめた。

少年法の理不尽さ、謝罪をしない、賠償責任を果たさない、果ての無い民事裁判にかかる労力と莫大な費用(しかし、民事裁判を起こさないと子どもが死んだ時の状況すら知らされないのです)・・・などなど、遺族の苦しみは子どもを亡くしたことだけにとどまらず、ありとあらゆる事に巻き込まれてしまう。はっきり言えば「殺され損」で加害者側は「ごね得」みたいな感じ。全部が全部そうだとは言わないけれど、そういうケースが圧倒的に多いことに愕然とします。

中でもわたしが強烈に印象に残ったのは、ひとりの加害者(13歳。夏休みの初日に近所の子どもをわざと溺れさせた)が2学期にはごく普通に中学に通っている。そこには被害者の姉が通っているのです。被害者の姉は加害者の教室を覗きに行く。すると加害者のクラスメートたちに物を投げられたりするのです。加害者は転居して校区が変わったにもかかわらず、頑なに中学の転校をしない。代わりに姉のほうが中学に行かない不登校になったと言う事。そのひとつの事例をとっても理不尽さを痛感できるのでは。

一貫して彼らが訴えるのは、少年の「更生」は大事な事だ。しかし、今の法は「権利」ばかりを振りかざし本当に大切な「謝罪」「贖罪」と言う事を置き去りにしている。法に守られているように見えても、こんな社会の中で育つ少年たちが幸せには思えない。と。

人を殺してはいけない、悪い事をしたらまず謝って、罪の意識をきちんと持って、それから真っ当な人間になろうと努力する・・・そんな当たり前の意識が、子どもを育てる親からして欠如しているようなのだ。

犯罪被害者当事者の会のホームページがこちらにあります。
本書発行から8年過ぎても少年法はなんら変わることなく、少年判事の被害者の人数と加害者の人数が膨れ上がっているようです。

そして、残念な事に2005年にこの著者の黒川氏が他界。

こう言うルポが好きで何冊か読んできていますが、この本は群をぬいてすばらしいと思う。順を追って迫っていくわかりやすさ、混乱する被害者の気持ちを読者に分かりやすく伝える明瞭な文章、そして何よりも丁寧な取材とジャーナリストとしての使命とポリシーと情熱が伝わるのです。

早すぎる著者の死が残念です。ぜひとも本書の続きを書いて欲しかった。
18:31 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(2)

底なし沼/新堂 冬樹

4104732028底なし沼
新堂 冬樹
新潮社 2006-08-19

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新堂さんは、読んだ直後は「お腹いっぱいです。新堂作品はもう読みません。」と思うのだけど、しばらくたってほとぼりが冷めると、またこりもせず求めてしまうのです。
で、やっぱり「お腹いっぱい・・・」になるのだった・・・。

相変わらず登場人物の誰にも好感も共感も持てない!
それでも読まされてしまうのだけど・・・。

債権の二重取立てを生業としている蔵王と言う男が主人公。
一旦完済された借金の証書を、金融業者から買取り、その「借用書」を元にして金をゆすり取る。
わたしにはとてもカタギには思えないこの商売、ヤクザの杯を分けてるわけではないので「カタギ」だと言うのだ。カタギと言うイメージの幅広さに驚く。
この男の(返したはずの)借金の取立てのすさまじさにまず、新堂節を見せ付けられる。金を借りるということは、すなわち命を掛ける事、いいや命以上のものをかける覚悟でなければ、金を借りてはいけません。
ただ「死ぬ」ぐらいなら生易しいと言えるのだと肝に誓いながら読む。
蔵王に対抗する勢力として登場するのは、結婚相談所を経営する日野。彼もまた、綺麗な顔をしていながら金の亡者で、結婚を餌に会員から金を搾り取る事だけを考えている人間です。
二人ともプライドだけは天より高いので、衝突したらどちらかが折れるまで戦いが続く。
その戦いに、暴力団や、暴力団を食い物にするグループまで出てきて、いったい誰が最後に残るのか・・・。
まぁ中盤までは、暴力沙汰が多くてもいったい誰が頂点に立つのか知りたくて、先を急がせる面白さがあったのだけど、この日野という男が思ったよりもヘボい存在だわ、暴力団を食い物にする恐れ知らずの鬼集団が、またあっけなく片付けられてしうわで拍子抜けすると言うか。
しかもそれらがすべて、これでもか!という怒涛の暴力沙汰のうちに描かれていて、いい加減辟易してしまった。
新堂さんの本は、ある意味「いましめ」的な意味合いもあるのでは。
絶対に街金(もう、闇金もサラ金も同じように感じます)などではお金を借りるまい、こう言う輩とは絶対に近づきになりますまい。
こんな目にあわずに一生を過ごせられたら、それだけでも「しあわせ」だと思う。怖い怖い。
もう当分新堂さんは遠慮しておきます。
と言いつつまた読んでしまうのは目に見えているのですが。
21:08 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(2)

使命と魂のリミット/東野 圭吾

4103031719使命と魂のリミット
東野 圭吾
新潮社 2006-12-06

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心臓外科を目指し、日本国内でも権威である西園に師事する主人公の研修医、夕紀。彼女は自分の父親を心臓病によって亡くしていた。父親と同じ病気の人を救いたい、その思いから心臓外科を目指したように見える夕紀だが、実はもっと深い所に別の思惑があった。
父の手術をしたのが、実は西園だったのだ。
そして、いま、西園は夕紀の母親と恋愛関係にあるのだ。
このことが何を物語るのか・・・。
そんな夕紀の勤める病院に不審な脅迫状が舞い込む。そこには
「病院の医療ミスを公開せよ」という言葉が・・・。
犯人の狙いはいったい何なのか・・・。





まぁまぁ面白かったと思うのですが、東野サンだとどうしても期待してしまい、ちょっと物足りなかったかな。
夕紀の物語と、病院が脅迫される物語の二つの筋が上手く絡み合っていると言う感じで読ませるのですが、脅迫のほうがちょっと現実味が薄かったかな。狙いが「それ」なら、ちょっとまどろっこしいような気がします。
夕紀が、西園への疑念と信頼の間で揺れ動くのも、見所の一つではあったけど、わたしが今回一番感情移入したのが脅迫犯人の恋人の看護婦。
彼女の最後の言葉にじーんとした。
でも、あとは割りと誰にも深く感情移入はしなかった。
ヒューマニズムがちょっと軽かったかな・・・。僭越ながらそんな感じです。

22:34 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

収納スペース/デボラ ロバートソン

4882822172収納スペース
デボラ ロバートソン Debora Robertson 新井 朋子
産調出版 2000-02

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図書館で見つけました。
収納ヘタなわたしに何かヒントをくれるかな?
と、淡い期待を抱いて・・・・(笑)


まぁ、収納のノウハウというよりも
おしゃれでセンスの良い部屋の数々を見ているような、
そんな感じの写真集と言ったほうが近い。


中には本にかこまれたダイニングがあったりして
ああ、羨ましい!
こう言う部屋に出来たらいいなぁ!!


ともかく、憧れるしかないです。
観ているだけで楽しい。
目の保養になる一冊です。
12:56 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

制服捜査/佐々木 譲

4104555045制服捜査
佐々木 譲
新潮社 2006-03-23

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佐々木譲さんの作品は初めて読みましたが、面白かったです。
Amazonのカスタマーレビューを見るとそうでもないと言う意見もあるようですが、それだけ以前の作品が魅力的だったのだと思うと興味津々。「エトロフ」とか「ベルリン」とか言う作品もぜひとも読みたいと思いました。

さて、この「制服捜査」、主人公は川久保篤巡査部長。駐在さんで、いわゆる制服の「おまわりさん」です。
舞台が北海道なのですが、北海道では駐在員が犯した癒着事件により、同じ所に2年以上とどまらないようなサイクルで、駐在が派遣されると言う規則に変わってしまった。
たった2年で地域の何が分かるのか、地域のことを把握しきらないままにまた次の赴任地に行く事を余儀なくされているのだけど、そのデメリットのほうが「癒着事件を起こす可能性」よりも上層部には大事な事らしい。
「癒着が心配になるぐらい地域と密着した駐在員がほしい」という地域の住人の言葉が印象的です。
そんな中で起きる4つの事件を描いてあるのだけど、主人公は一介のおまわりさんだから、捜査には加えられない。だけど、駐在員にしか分からない事がその土地にはある、それをコツコツと調べるのが自分の「分」であると、立場をわきまえつつも事件の真相に迫ってゆく。
この姿がとても頼もしくそして正義漢に見えて好感が持てた。
警察小説と言うと、たいてい刑事たちが主人公だけど、制服のおまわりさんが主人公と言う事で、新鮮な気がして面白かったです。
また、この川久保の赴任先が排他的で保守的な土地柄で、その土地で暮らしてみないと分からないニュアンスのようなものが犯罪に対する「防犯協会」にもあり、土地柄そのものとの戦い・・・みたいな部分が読み応えがあり、川久保の活躍に胸がすくようだった。
22:47 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

殺人の四重奏/藤本ひとみ

4087748286殺人の四重奏―クラシックミステリー
藤本 ひとみ
集英社 2006-09

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ひさしぶりの藤本さんの歴史ミステリー。面白かった!堪能しました。欲を言えば短編集よりも長編が読みたいけど、それぞれのお話が読み応えのある短編集でこんな短編も決して悪くない!満足満足。嬉しいプレゼントでしたよ。美しい宮廷、華やかな街を舞台に人間の欲望やエゴイズムを描いてあり、ミステリーとしても読ませるし、おススメです。


一番よかったのは、やはり「マリーアントワネットの首」です。
主人公のマリーは、蝋細工師。革命の中でギロチンにかけられた有名人たちの首を、首切りサムソンから借り受けて、デスマスクならぬデス首を型に取り、蝋細工(蝋人形)を作るんです。
で、このタイトルなんだから解りますよね?
しかし、それだけではなく、ギロチンが出来るまでには様々な拷問って言うものがあったので、その様子が処刑人のサムソンの口から語られたりする場面が、おぞましくもぞくぞくしてしまう。
それに、相変わらずいい男を描くのがうまい藤本さん。ほんの少ししか登場しなくて、いつものような濃厚なラブシーンなんてどこにもないんだけど、なぜか心惹かれるアンリ・サムソン。
この人を主人公に長編書いてください!

収録作品は
●寵姫モンテスパン夫人の黒ミサ
●詐欺師マドレーヌの復讐
●公爵令嬢アユーラのたくらみ
●王妃マリー・アントワネットの首

今読みたい藤本作品は↓
4048737341王妃マリー・アントワネット―青春の光と影
藤本 ひとみ
角川書店 2006-11

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