【本】判事の家/橘かがり

4270003138判事の家
ランダムハウス講談社 2008-03-20

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1949年の夏、立て続けに不可解な冤罪事件が起きました。
下山事件、三鷹事件、そして松川事件です。
本書の著者は、その、松川事件の判決を下した判事の実の孫に当たる人だそうで。
先日新聞にチラッとそのような記事が載っていたので、興味を持ち、読みました。
下山事件や三鷹事件の名前は聞いているけれど、松川事件って全然知りませんでした。
戦後間もない混乱の続いていただろう時期とは言え、恐ろしい事です。
ただ、私はこう言う「小説」を読むと「どこまでが本当なんだろう」と思ってしまうのです。
著者の祖父が、その判事であるとして、その息子である著者の父親は、実際そういう人生を送ったのか。
後書きにも「全部が事実ではない」と書かれているので、実際はどうだったのか、気になってしまう。
ただ、ここは真実だっただろうと思うんですが、著者が、当時冤罪で若い盛りの10年を拘束されてしまったという、間違って逮捕されてしまった人との対峙する場面があります。
自分は直接関係ない。自分がしたことではなく、自分に罪はない。だけど、その関わりの中で生きていると言うことは、完全に無関係とは言えない。その胸苦しさ、いたたまれなさは、すごく良く伝わってきて、こちらまで身がすくむ気持ちでした。
自分がこの著者の立場だったら、こんな風にきちんと、面と向かって謝罪なんてできない、話を聞くことも出来ないだろうなぁ・・と、思いました。
ノンフィクションのほうがいいなぁと思うけど、逆に、この孫さんの立場から、その後の「判事の家」で何があったのか、本当のことを知りたい、と言うのはあまりにも下世話でありましょう。

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