【本】身の上話/佐藤正午

4334926711身の上話
光文社 2009-07-18

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どう言う物語に分類されるのか、やっぱりミステリーでしょうか。
主人公の古川ミチルは、書店店員だが、あるとき上司(というより、仕事上の先輩か)に、お遣いに行くように頼まれる。二人ぶんのお遣いを済ませたミチルは、そのまま出張してきた不倫相手が東京に帰るのに一緒について行ってしまう。そのまま、東京にいる故郷の後輩(男)を頼ったりしてズルズルと東京に居続けて帰ろうとしない。
そしてあるとき、ミチルの運命が大きく変わる出来事が起きる。

書式としては、ミチルの夫であるとする人物の語りによる物語になっています。この夫なる人物が誰なのか?を含めて、なかなかにハラハラさせるミステリー仕立てになっていて、先を急がせられる物語です。
いかんせん、登場人物の誰にも好感も共感も持てず、主人公のミチルにいたっては、冒頭の突飛な行動からそのあとのズルズルとだらしない周囲への対応から、嫌悪感しか持てないし、また中盤いきなり「常識人」のような言動をしようとするのは冒頭のミチルからはちょっと心外な気もして。

しかし、一挙に思いがけぬ幸運を手に入れた人間がどうなっていくか・・・ということが、かなりじっくりと綿密に書かれていて読ませられました。常々私も思っている。その幸運にあやかった場合、きっと自分は幸せになるのではなく、不幸になるのではないかと。マイナス思考の私だからか、リアリティを感じなかったが、物語としてとても面白く読めました。
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