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【本】青嵐の譜/天野純希

4087713113青嵐の譜
集英社 2009-08-05

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蒙古の侵攻により混乱する高麗から、海を渡り嵐をかいくぐって逃げ延びた武官の娘、麗花。流れ着いた壱岐地方の商人の家に引き取られることに。その家の息子である二郎と、そして、唐人街の遊女だった母を持ちながらこの地方に引き取られた宗三郎。元寇と言う歴史上の一大事を背景に成長する3人の姿を描く大型歴史小説。

元寇とは、歴史の授業で一行二行の記述で終わった、鎌倉時代の出来事。襲来した蒙古は、それは酷いやり方で日本を攻めたのだとか、あるいは、神風が吹き蒙古を撃退したのだとか、そんな尾ひれだけは知っていたのだけど、詳しいことは何も知りませんでした。
この物語には、襲来された壱岐地方のことだけじゃなく、中国大陸や朝鮮半島の情勢も触れられていて、元がどれほど強大な軍事国家であり、周囲の国々を怯えさせていたのかなど広い視野で描かれていたのが読み応えある部分の一つだったと思います。
二つの襲来はそれぞれ、突然のことではなく、何度も元の皇帝から使者が来ていたとか、鎌倉はそれを無視していたとか、人身御供とさえいえるようなこの地方の人々の犠牲がいかに甚大だったかなど、当然ながら教科書に載っていない事ばかりで、その辺りが大変面白く読めました。
物語はその元寇に翻弄される3人の若者の姿を描いたものです。波乱万丈の世情の中で、やぱり波乱万丈に生きていく3人の姿は、結末が予想されそうでいてなおかつ先を急がされ、一気に読まされました。
所々文章使いに作者の若さが垣間見られたのも、若い読者には共感を呼び、読み易いのではと思われました。
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