【本】チョコレートの真実 /キャロル・オフ (著), 北村 陽子 (訳)

4862760155チョコレートの真実 [DIPシリーズ]
北村 陽子
英治出版 2007-08-27

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コロンブスが新大陸を発見し、スペインのコルテスがアステカを滅ぼしたときから、チョコレートはヨーロッパに伝わり、様々な試しを繰り返して、今現在私たちはとても気軽に美味しいチョコレートを、望めば毎日でも食べられます。
しかし、その裏には、チョコレートの何たるかも知らないで、原料のカカオ豆を作っている子どもたちがいる。学校にも行けず、賃金さえもらえず、ひたすらカカオ豆を作っている子どもたちがいるということ、あるいは新大陸発見の後の覇権国による、大陸先住民への暴虐無人な侵略、略奪、搾取、蹂躙などのことが書かれています。

アメリカ大陸原産のカカオ豆は、やがてアフリカで栽培されるようになり(カカオベルトという地帯で作られます)、多国籍企業の食い物として発展していきます。
コートジボアールに代表されるアフリカ西海岸の国々では、世界的な果てない需要を満たすため、幼い子どもたちまでが奴隷としてカカオプランテーションで働かされています。
「奴隷労働」を禁止する国際法があるにも関わらず、奴隷労働はなくならないのです。
するとそこにまた、子どもたちを食い物にした裏のビジネスが横行します。
片方から搾取される為に、反対側から搾取せざるを得ない・・と言う図式。
犠牲になるのは弱者です。
いつの時代にも、弱者を救おうとするヒューマニストが登場するのですが、結局巨大なチカラの前に「消され」「潰され」「駆逐され」結局「悪いヤツラ」は高笑い。
近年では「フェアトレード」という理念が国際的にまかり通ってますが、巨大資本はそれすらも「操作」している、あるいはしようとしているという現実。
問題は資本側だけじゃないのです。無論、消費者側に問題があるのです。
誰でも自分の食べるチョコレートが「幼い子どもが奴隷労働させれられて作られたチョコレート」だとは、思いたくないし、実際、そんなチョコレートなら食べたくない。
だけど、チョコの表に「スレイブフリー」=奴隷は使用していません、と書かれていたら、ホッとして食べるでしょう。その真偽は追及しない人もいるのでは。とりあえず「スレイブフリー」と書かれてるんだからオッケー、となってしまうのでは。
たとえばオーガニック・チョコレートという、農薬を使わないカカオ豆から出来たチョコレートがある、オーガニックと言う「ラベル」を貼るには、大変厳しい審査をくぐりぬけなければならない、でも、そのオーガニック・チョコを発売している会社を「巨大資本」が買収して、「オーガニック」という審査の「規制緩和」に乗り出す・・・ということも。
それでも、チョコの表に「オーガニック・チョコレート」と書かれていたら安心して、少々お高いチョコレートも食べる。それで「満足」できるんです。
知りたくないことは知ろうとしない、臭いものには蓋、これに限ります。
だって、知ったところで自分たちには何も出来ないし、あるいは不買運動をしたところで、それが本当にアフリカの子どもたちの為になるのか?って言ったら、きっとそうでもないような気がします。
あまりにも巨大な力の前には、我々一般人はなす術なし。
せめて、「それ」を知っている・・・ということが大事なのかも知れません。
たとえ自己満足だとしてもね。

「ブラッド・ダイヤモンド」を見たとき初めて「紛争ダイヤモンド」の存在を知りました。
「女工哀歌」を見たとき、自分のはいているジーパンが、あんなふうに作られていると知ってビックリしました。
そしてまた今回、チョコレートです。
世の中、こんな事がいくらでもあるんでしょうね。ごく普通に生きているつもりでも、実際には、こう言う「犠牲」「搾取」「蹂躙」などなどの上で暮らしていると言う事なのでしょうね。



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