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ハチはなぜ大量死したのか/ローワン・ジェイコブセン

4163710302ハチはなぜ大量死したのか
中里 京子
文藝春秋 2009-01-27

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「人間がこの世から消えうせても地球は滅びないけれど、虫が消えうせたら地球は滅びる」と、聞いています。そして地球はその危機に直面していると感じさせられる本でした。(この本の主題はあくまで「ハチ」ですが、結果的に)
タイトルのとおり、ハチの大量死がなぜ起きているのか、どういう影響があり、原因は何かと紐解こうとしているのだけど、それがとても丁寧に分かりやすく書かれています。
が、本書の魅力は決してそれだけではなく、ハチの生態をはじめ、(ハチってすごいです!ハチミツもすごいです!)、植物の生態、花とハチの関係、大きく言えば自然の仕組みの神秘と偉大さにただ驚き感心し、畏敬の念に打たれてしまうような気持ちでした。(ほんとに、ひれ伏したい!)
自然の仕組みは、ときには人間の目から見たら「マイナス」でも、長いスパンと大きな視野で眺めれば、自然界では「プラス」になることばかりで、本当に良くできたものだなぁと (たとえば「風の谷のナウシカ」の腐海の森は、一見人間にとって猛毒の森ですが、実は汚れきった地球上の空気を浄化する働きがある・・・と言うように。ナウシカはフィクションだけど) ひたすら感心することがたくさん書いてありました。この「上手く出来ている」仕組みの前に、人間の知恵なんぞは本当にちっぽけなものだと思わせられます。
人間は、いつも人間にとってメリットかデメリットか、生産的か非生産的か、など、常に人間の目線で考えてしまう。けれど、人間と自然界のメリットが必ずしも一致しないし、逆の場合も多いのに、人間はなかなかそれを受け入れられず、逆らおうとか、なんとかしようとか、人間の知恵と力で乗り越えようとする。そこに人間の傲慢があり、それが長年にわたって積もり積もって今現在のような「危機」が出来上がってきたと思えました。

この本の中に登場する、養蜂家のひとりが、ウェブスターさんというひとなんだけど、この人のやっている事が、先日読んだ「奇跡のリンゴ」の木村さんがやってる事とそっくりでした。
かたやハチミツ、かたやリンゴと、その収穫物に違いはあるんだけど、ふたりの考え方や取り組みの方法に符合する点というか、共通する理念があって驚かされました。
これは今後の人類と自然、農業との共存の大きな指針を含む大事な考え方、方法と思います。
是非とも、「奇跡のリンゴ」と「ハチはなぜ大量死したのか」あわせて読んで頂きたいです。

★★★★★

こちらの記事もご参考に。「ミツバチの苛酷な労働環境


4344015444奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
石川 拓治
幻冬舎 2008-07

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