森に眠る魚/角田 光代

4575236497森に眠る魚
角田 光代
双葉社 2008-12

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読んでいる最中も読み終えた後も、どんよりとした疲労感と後味の悪さが残る作品で、好みがキッパリと分かれそうです。私はこう言う陰湿な作品は好きだし、心理描写が上手いので一気に読まされるのだけど、それでもどこか辟易してしまった気がする。
物語は、5人の主婦それぞれの目線で進みます。出会いに伴う高揚、充実期を経てその付き合いが「お受験」の登場により微妙な変質を起こし、やがては倦怠、疲労と変化していく様子をリアルに描いてあります。
登場する主婦たちはごく普通の女たち。ちょっと羽目が外れた女もいるが、それぞれがまぁまぁ許容範囲内で、いたって普通。その普通の人の中にある悪い面を、わざと見つける手腕を誇示しているようないやらしさが、作品全体にあった。。。と言ったら言い過ぎだろうか?
主婦たちが変化していくのを眺めながら、こちらもゆるやかに精を抜かれていくような気だるさ。角田作品に感じる一貫したイメージはこの「気だるさ」なのだけど、それが今回特に強かった。
先に書いたように、出会い、高揚、充実、倦怠、疲労、そして別れ・・・となると、女性同士に限らず男女の恋愛にも言えること。人間関係全てに共通するものかもしれません。
ある過去の実在の事件を元にした物語で、私は誰が「その」役割なのだろうと思いながら読みました。誰もが被害者のようだし誰もが加害者のよう。これも、この作品が言いたいことの一つだったのかも。
★★★★
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11:22 : [本・タイトル]ま行トラックバック(0)  コメント(2)
おっ…早いですね。
私も首を長くして待ってる本です。
例の音羽の事件がベースになってる感じ?
楽しみです。
…では今晩お会いしましょう♪

2009/01/31(土) 13:43:07 | ユミ │ URL | [編集]

どす黒いような、もやもやと灰がかかったような・・・
ユミさんの感想楽しみにしていますよ~(^^)

2009/02/04(水) 10:25:18 | short │ URL | [編集]

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