2008'12.26
![]() | 氷上の光と影 知られざるフィギュアスケート 田村 明子 新潮社 2007-02-24 by G-Tools |
昨日から「2008年全日本選手権」始まりましたね。
男子では小塚君と無良君を応援しています。女子ではもちろん真央ちゃん。
だけど、皆さんにいい演技をして欲しい。世界大会でお目にかかれない選手たちの演技も見られるのが嬉しいですね。
さて、この「氷上の光と影」と言う本。
著者の田村明子氏はこのようにフィギュアスケートのブームが来る前、伊藤みどりさんの引退後、世間のフィギュアに対する関心が低くなっていた時期から地道にこの世界を取材されていたそうで、付け焼刃ではないその内容は迫真、的確で要所を突いていて、とても読みやすく分かりやすいです。
近年のフィギュアを変えた二つの大きな事件、ひとつは1994年、リレハンメル冬季五輪の前に起きた「ケリガン襲撃事件」。もうひとつは2002年のソルトレイク冬季五輪でのペア決勝で、二組のチームに「金メダル」が与えられた事。どちらも、記憶に刻みつけられている事件でしたが、深い内容までは知らなかった(もしくは忘れていた)ので、本を読んで再確認し、それよりもこの事件がフィギュアスケート世界に与えた影響の大きさがどんなものであったかということが良く分かります。
賞金制度のこともよく知らなかったのだけど、ケリガン襲撃により加熱した北アメリカのフィギュア熱が、めぐりめぐってアマチュアへの賞金制度をもたらしたという深い因縁には、そうだったのかと言う驚きがありました。
そして新採点方式。普段「また回転不足か!見た目がキレイならいいじゃないか、そこまで厳密なジャッジがいるんだろうか」と思ってしまいがちですが、この本を読むとなぜそうなってきたか、そしてその必要性がよく分かりました。同時に「フィギュアから『美』を奪った」と言う、その欠点にも選手たちの意見を聞きつつ言及していて、考えさせられるのでした。
過去からの各有名選手たちの、エピソードや著者に語った言葉、選手だけじゃなく、コーチ陣、コリオグラファー(振り付け師)などにも焦点をあて、表裏どちらからもフィギュアに迫っていてとても読み応えがありました。
個人的には「世界最高のジャンパー」は「伊藤みどり」と言う言葉に感銘を受けました。
他にも、五十嵐文男氏がジャッジの採点にたいしては決して異を唱えないと言う事、タラソワコーチのスケートに対する姿勢など、テレビで見ているだけでは分からない「影」の部分も含めて、これがフィギュアスケートなのだと思わせてくれる一冊でした。





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