「少年A」14歳の肖像/高山文彦

4101304327「少年A」14歳の肖像 (新潮文庫)
高山 文彦
新潮社 2001-10

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日々新しく残忍で衝撃的な事件ばかりに埋め尽くされているいま、この事件はもう遠い過去のものになってしまった印象を受けます。それでも当時の衝撃は忘れられるものではなく、断片的にではあっても、しっかりと記憶に留まっていることもたくさんあります。本書を読むうちに色々と思い出し、そうだったそうだったと、いまさらながらに恐ろしい事件であったことを再確認しました。
今からもう10年以上も前になる1997年の5月、事件は発生しました。世間は震撼しマスコミは世間をあおり、情報に惑わされああでもない、こうでもないとテレビのコメンテーターたちは言い、もっともらしい憶測も飛び交い・・・。そしてついに逮捕されたのは、被害者淳君の同級生の兄である中学2年生の「少年A」。その時の驚きは・・・今はもうこれまた遠い過去のもの。事件から一年、著者が訪れた犯行現場や関連した場所はなんと観光名所になっていて、ツアーを組んで見学に来た人々にたくさん遭遇したそう。なんとも悪趣味な・・・(と思う一方で、こう言う本を読む自分はどう違うんだろう?とも思う)。
淳君が行方不明になって恐らく無事ではないのではないかと思われていたときには、もうすでに、近隣の人々は彼がやったのではという疑いを持っていたということです。それどころか淳君よりも前に被害に合った山下彩花ちゃんの事件の後もすでに、見当が付く人には分かっていたとのこと。
そうなると、淳君の事件は防ぎようが合ったのかもしれません。とても残念です。
本書を読み少年Aの生い立ちに触れ、彼が大きな苦しみを心に持っていたことは理解出来そうな気がしますが、子どもを育てると言うことは、人間を育てると言うことで、子を育てる親は決して生半な気持ちで子育てをしてはいけない、と思いました。親の責任と言うことがヒシヒシと伝わってきて、自分のことを思ってもいまさらながらに反省を促されてしまいました。



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