あるスキャンダルの覚え書き

B001CT6M6Yあるスキャンダルの覚え書き
ジュディ・デンチ, ケイト・ブランシェット, アンドリュー・シンプソン, ビル・ナイ, リチャード・エアー
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2008-09-17

by G-Tools


定年退職間近の老教師であるバーバラ、労働者階級の子どもたちが多く通う学校で、冷めた諦めの気持ちで淡々と授業をしている。そこに美術担当の若く美しいシーバと言う女性教師が新任でやってきた。色めき立つ学校で、バーバラはいつしかシーバの心を掴み、二人は友情を育んでいく。
しかしその友情は、シーバのスキャンダラスな行為をバーバラが知る事によって、急速に方向性が変わっていく。二人の関係はどうなっていくのか。


のっけから、とても釣り込まれてしまったのは、バーバラが意外にも乙女チックに「日記さん」に宛てて、毎日日記をつけているからかも。
人の日記を覗くという、背徳の喜びにも似た好奇心を刺激され、またそれを満足させられるような感覚だろうかと思います。それはきっとわたしが下世話な人間だからなのかも、と、ちょっと自己嫌悪に陥り「いけないことだと思うけど、ついつい」みたいなところがある作品だった。
二人の女性の生き方とか、孤独感だとか、その背景だとか、そんなことは私はこの作品に関してはそれほどに思い入れはない。ただ、ひたすらバーバラと言う人間に興味が湧いた。
そのバーバラの本性や「過去の実績」は、だんだんと徐々に現れてくる。その過程がスリリングで、ミステリーでもないのにサスペンスになってて、目が離せない。派手な展開はないのに、じっと魅入ってしまう吸引力のある作品。
ジュディ・ディンチという女優さんは、本当に演技が上手い。上手いなんてものじゃない、まったく画面の中には「バーバラ」という「ババア」しか見えないのです。完璧!あまりにもリアルな「バーバラ」だからこそ、ストーリーに釣り込まれてしまうのは、これは女優さんの演技力の賜物でしょう。
対するケイト・ブランシェットも、縦横無尽というか、変幻自在と言うかその作品でコロコロとイメージが変わる人で、この作品では頼りなげな危うい色気というのが、とてもよく出てたと思う。こんな教師がいきなり学校に着たら、先生や生徒の一人二人はちょっとトチ狂っちゃうでしょう。
でも、いかにも「止めろといわれることほど、止められない」と言う感じで、シーバはそんな自分に酔っていたと思う。孤独だから少年との愛に溺れたとか、人生への疲れをひと時の情熱で忘れようとした、とか、御託を並べられても私には信じられない。彼女は確かに酔っていた。恋に恋するように、「いけないことをしている、いけないと分かっているけどやめられない」という自分に。と、見受けました。

結局、シーバとバーバラそれぞれの「受け入れ先」が彼女たちの幸・不幸、全てを物語っているように思いました。シーバには「それ」があり、バーバラには「それ」しかない。
バーバラが今後どうするか・・・目に見えるようです。薄ら寒い余韻が、後を引くラストも見事でした。

★★★★☆
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18:15 : [映画タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(2)
ジュディ・デンチ, ケイト・ブランシェット演技には圧巻だったよね。
さすが、演技派の二人だと思いました。
二人の演技が見れればいいかなと思って話は期待しなかったけど、人間の心理をえぐっているような、リアル感があって面白かったです。山本文緒さんのようで、私的、好きです。

2008/09/18(木) 21:56:59 | ラム │ URL | [編集]

ふたりとも、すごく楽しませてくれてありがとう!っていう感じです。
本当に見応えがあったね(^^)
そっか、ヤマフミさんのよう・・いわれて見ればそうかもしれない。
ブリジッド・フォンダの「ルームメイト」を思い出したんだけど、あれよりも数段おもしろかった。
私もとても好みの作品。ここまで面白いとは思わなかったので、大収穫だったね♪

2008/09/23(火) 15:58:10 | short │ URL | [編集]

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