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顔なし子/高田 侑

4344013727顔なし子
高田 侑
幻冬舎 2007-08

by G-Tools



東京での生活に見切りをつけて、20年以上離れていた古里へ戻った修司。義理の弟である桐也は、ここ数年音沙汰がないという父の言葉に、修司の思いは忌まわしい事件のあった昭和55年へと馳せる。修司の父親は妻を亡くして喪の明けないうちに、桐也の母親を連れてきたのだ。すべてはそこから始まった。昭和55年に何があったのか。そして、その事件が現代にも禍々しい影を落とす。次々と起こる不審な事件は、過去の事件に関連するのだろうか。

陰湿な寒村を舞台に、泥臭くじめじめと陰気な物語が続くのだけど、なかなか読ませます。55年当時の話は、閉鎖的な村社会でありそうな事件だけに説得力がある。妻の喪が明けないうちに新しい女を連れ帰る父親、その新しい女であるセリ、そして昭和55年の修司・・・修司には気を許す女友達である麻樹と、孤独な少年桐也などのそれぞれの心理描写もていねいに描かれていて釣り込まれます。
排他的で残酷な村人たちにたいして、主人公たちは根底に人を思いやる気持ちを持ってるというのが、この物語の魅力だと思う。じめっとしている割に暗くなりすぎずに読めるのはそのおかげかもしれない。
だんだんとミステリー色が濃くなっていくのは、前回読んだ「鉄槌」とよく似た感じがしました。
ただ、ラストのミステリーのオチはそれほど意外性もなく、平凡な感じで拍子抜けしてしまった。もっと、胸震えるような真実が隠されているのでは??という期待を抱かせられる展開だっただけにちょっと残念。でも中盤が面白かったし、おどろおどろしくもオカルトではないかんじが好みだったので、また次も読んでみたいと思わせられる作家さんです。わたしは割と好きなタイプ。
個人的に言いたいのは「桐也に対して、結婚した事を義理の父親になぜ言わないのか?セリが死んだのは義父のせいだと恨んでいるのだろうか?でもその後も血のつながりのない桐也を育てたのは義父なのだから、せめて結婚した事ぐらいは伝えても良かったのでは」と言う事。
しかし、ああ言うラストはそれはそれで良いとおもうけど。
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