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陪審法廷/楡 周平

4062138948陪審法廷
楡 周平
講談社 2007-03-30

by G-Tools


アメリカ在住の日本人、研一(中学生)がある理由で殺人を犯してしまいます。その裁判の様子を描いた作品。

研一が殺してしまうのは、自分の恋人(というか幼馴染)の女の子を3年間犯し続けたその養父。殺人を犯したことは間違いない事実なのだけど、どうしても刑を軽くするには「無罪」を勝ち取るしかない。弁護士がそのために詭弁にも似た策を打ち立てる。また、陪審員たちの議論が白熱して読み応えがありました。

小説としての楽しみよりも、もしもこう言うケースがあったとき、自分が陪審員だったらどのように判決を決めるかという、どちらかと言うとシミュレーション的な部分が大きい小説だと思います。
日本でも裁判員制度が導入されますが、実際にその裁判員になったとして、本当に「裁く」ことができるのか。「裁く」と言う意味が、この本にて問題提起されていると思いました。
この小説の舞台はアメリカなので、少年法もないんです。だから、オトナと同じように裁かれるわけです。でも、15歳の少年が一時の過ちで殺人を犯してしまい、ほぼ再犯の可能性の低い背景を持ちながら、懲役25年か、もしくは終身刑の2つしか量刑を選べない・・・、どう考えてもその量刑が重すぎるとなった時、どうすればいいのか分からない。
対しては「無罪」しかないんです。
でも、果たして「無罪」でいいのか。人を殺したのは間違いないのに。社会的制裁は逃れようがないとしても、それで罪が贖えるはずも無く。だとしたら何がいいのか。それを思うとき、日本の少年法は、決して糾弾されるだけの無駄な法律ではない、と思えました。

小説として率直な感想を言えば、そんなに面白かったわけではないです。なんといっても主人公が殺人を犯すまでの背景、動機が弱いのです。主人公の思い込みが激しいだけで、読者には伝わらない。
ほんとに無罪で良いのか。そう考えるとこの裁判自体、裁判の争点に問題があるように思えてきて。確かに性的虐待は許してはいけない。でも、やっぱりそれは法の手にゆだねるべきで、その「プロセス」をすっ飛ばしていきなり殺してしまった主人公の短絡さに、イマイチ感情移入できなかったです。

でも、「裁判員制度」を考える時にちょっとヒントになるなぁと思いました。まぁ舞台がアメリカなので、参考になるのかそこんとこはビミョーでしたけど。
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2013/08/18(日) 00:32:32 | - │ | [編集]

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2013/11/04(月) 14:45:11 | - │ | [編集]

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