2007'05.12
![]() | 家日和 奥田 英朗 集英社 2007-04 by G-Tools |
ネットオークションにハマる「全盛期が過ぎた」一家の主婦の物語「サニーデイ」。
人間いたるところに青山あり、いきなりリストラされて「主夫」になった男の物語「ここが青山」。
妻との別居をきっかけに今まで我慢していた趣味を復活させる男の物語「家においでよ」。
在宅ワークの担当者の「フェロモン」に参った?主婦「グレープフルーツ・モンスター」。
やたら勝負をしたがる夫は今度はカーテンとカーペットのお店をやると言い出した「夫とカーテン」。
ロハスに懲りだした妻に閉口する作家の物語「妻と玄米御飯」の6編が収録された短編集。
相変わらず何も考えずに笑いながらさくっと読めるのが良いです。
とくに「サニーデイ」などは、インターネットが好きな人は「わかるわかる〜!」で笑えると思う。わたしも時々声をあげて笑いました。子どもたちが成長して、「この家は全盛期を過ぎた」と思う主婦の言葉にしみじみとした感慨を抱いたのはわたしだけではないでしょう。
オークションで「儲ける」と言う事よりもネットを通じて、人とのふれあいを求める主人公の気持ちは手に取るように分かりますよね(笑)。
相変わらず、人の心を表現するのがお上手な奥田さんでした。
ラストの「妻と玄米御飯」もかなり面白い!これ、実体験じゃないの?と思えるぐらい真に迫ったリアルな展開だと思う。こっちまではらはらしてしまう。ロハス・・・(笑)。結構上手におちょくりつつも、実はおちょくってゴメンネと言ってるような、作品自体のメッセージが明確で面白いです。これも是非ご一読を!笑えます!
そして、何よりわたしが気に入ったのは「家においでよ」。
これは離婚の危機に陥った夫婦が、とりあえずということで別居を始めた所から始まります。殆どが妻の持ち物だったらしく、夫はがらんとした部屋に残される。まずは暮らしてゆくための家具をそろえようと思い立ちます。が、どうせ揃えるのなら自分なりのこだわりを持ちたいと思う。今までは妻のしたいようにインテリアなどは任せてきたのだから。
こだわりを追求するうちに仲間もうらやむような部屋が出来上がって行き・・・という感じなんだけど、相変わらずユーモア満載だし主人公と同年代の男性(もしかして女性も?)そっちの方面で趣味が合えば懐かしくて叫びたくなるような場面が登場するかもしれません。離婚寸前だと言うのに心躍るような物語の雰囲気、間違っていませんか?と笑えます。が、笑わせながらも実はこれは「結婚ってナンだろう」「夫婦ってなんだろう」「家族って?」「家庭って?」と、考えずにはいられないシビアな問題が潜んでいます。
男の人は独身か既婚かで、自分の自由になるものが全然違う。お金も時間も家の中の空間も。それでも、それを承知で結婚するんだと思うのだけど、中には「しまった!結婚なんかしないほうが良かった」と思う殿方もいらっしゃるのじゃないでしょうかね(笑)。
この「家においでよ」を読んだ男の人の忌憚ない感想を、一度聞かせていただきたいものです。
「サニーデイ」「家においでよ」「妻と玄米御飯」は★★★★★でした!
あさみさんにお借りしました、ありがとうございました♪





「この家は全盛期を過ぎた」ああ、まさに我が家がそうですなあ。全盛期を過ぎた家の主婦は、ネットにはまる・・・身につまされそうです。
2007/05/13(日) 07:48:07 | くまま │ URL | [編集]