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株価暴落/池井戸 潤

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池井戸 潤
文藝春秋 2007-03

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白水銀行に勤める板東は、通称「病院」と呼ばれる審査部(業績が悪化した取引先を専門に担当する)に所属する。
あるとき、巨大スーパーの一風堂で爆破事件が起きる。
その一風堂は先ごろ業績不振からの再生計画を実施したばかりだった。
一風堂への支援については白水銀行内でも激しく、賛否両論に別れ板東は支援見送りに傾いていたのだ。
そんな折の爆破事件。一風堂の株価が暴落。
追い討ちを打つように「案山子」と名乗る犯人からの犯行声明があり、爆破事件は連続の様相を呈してきた。
事件を追う警察や、板東は強引に店舗を拡大してきた一風堂に、少なからぬ怨嗟が絡んでいるのではないかと見る。
はたして犯人は。
そして、一風堂の行く先は。
行内の実験を握る二戸と対立する板東の活躍はいかに。


ん~~~~。ちょっとビミョー。
どことなく東野作品を連想させるように感じたのはわたしだけでしょうか。
まず、魅力的な登場人物である板東。彼はカッコよかった。正義の味方として読者の心を掴むのは彼です。
が、彼が「一風堂支援」に反対の立場をとるのが、物語としてはどうしても「勧善懲悪」を弱めているんです。
一風堂のイメージはかなり悪い。しかし、それは経営陣が悪いのであって、企業が一つ倒産すればそこで職を失い困る人たちが沢山出るのですから、いくら経営陣が「悪」であろうと読者として望むのは「企業倒産」ではないのです。ということから板東をあまり心から応援できないままに読み進めてしまった。
爆破の犯人も。描き方が中途半端でした。意外な人物と結びつき、利用されていることがわかっって来る過程は、なかなかスリリングだったのだけど、結末が不完全燃焼。心理描写もきちんと描けてないような感じで、この犯人にも思い入れすることが出来なかったのが残念。
白水銀行、一風堂、犯人側、警察・・・それらが入り乱れタッグを組んで事件を進めていく(あるいは止めようとする)のだけど、どこにも感情移入が出来ず、「空飛ぶタイヤ」から見れば全然物足りない、といわざるを得ませんでした。
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17:56 : [本・タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(2)
ですね~~!池井戸さんは「空飛ぶタイヤ」が私の中では大ブレイク作品です。一番乗ってる作品ですよね、それに比べると、この頃の作品はまだまだ助走部分というか・・・。

でも池井戸さんは難しいテーマをよくぞここまで分かりやすく書いてくれて(それでもたまに分かりませんけど)、いい人だ。(笑)

2007/04/10(火) 17:07:43 | じゃじゃまま │ URL | [編集]

タイトルの株価暴落ですが、本筋とそれほど関係ないような気がしました。
株価が暴落しても主人公板東は、自分の生活が脅かされるという危機感とつながりにくかったのじゃないかと思います。
やっぱり赤松さんみたいな魅力的な御仁が登場しないとねぇ。応援できる相手がいないと入りにくいですよね。
たしかに、分かりやすいけど・・・いや、わかってないけども(笑)

2007/04/11(水) 10:05:03 | short │ URL | [編集]

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