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底なし沼/新堂 冬樹

4104732028底なし沼
新堂 冬樹
新潮社 2006-08-19

by G-Tools


新堂さんは、読んだ直後は「お腹いっぱいです。新堂作品はもう読みません。」と思うのだけど、しばらくたってほとぼりが冷めると、またこりもせず求めてしまうのです。
で、やっぱり「お腹いっぱい・・・」になるのだった・・・。

相変わらず登場人物の誰にも好感も共感も持てない!
それでも読まされてしまうのだけど・・・。

債権の二重取立てを生業としている蔵王と言う男が主人公。
一旦完済された借金の証書を、金融業者から買取り、その「借用書」を元にして金をゆすり取る。
わたしにはとてもカタギには思えないこの商売、ヤクザの杯を分けてるわけではないので「カタギ」だと言うのだ。カタギと言うイメージの幅広さに驚く。
この男の(返したはずの)借金の取立てのすさまじさにまず、新堂節を見せ付けられる。金を借りるということは、すなわち命を掛ける事、いいや命以上のものをかける覚悟でなければ、金を借りてはいけません。
ただ「死ぬ」ぐらいなら生易しいと言えるのだと肝に誓いながら読む。
蔵王に対抗する勢力として登場するのは、結婚相談所を経営する日野。彼もまた、綺麗な顔をしていながら金の亡者で、結婚を餌に会員から金を搾り取る事だけを考えている人間です。
二人ともプライドだけは天より高いので、衝突したらどちらかが折れるまで戦いが続く。
その戦いに、暴力団や、暴力団を食い物にするグループまで出てきて、いったい誰が最後に残るのか・・・。
まぁ中盤までは、暴力沙汰が多くてもいったい誰が頂点に立つのか知りたくて、先を急がせる面白さがあったのだけど、この日野という男が思ったよりもヘボい存在だわ、暴力団を食い物にする恐れ知らずの鬼集団が、またあっけなく片付けられてしうわで拍子抜けすると言うか。
しかもそれらがすべて、これでもか!という怒涛の暴力沙汰のうちに描かれていて、いい加減辟易してしまった。
新堂さんの本は、ある意味「いましめ」的な意味合いもあるのでは。
絶対に街金(もう、闇金もサラ金も同じように感じます)などではお金を借りるまい、こう言う輩とは絶対に近づきになりますまい。
こんな目にあわずに一生を過ごせられたら、それだけでも「しあわせ」だと思う。怖い怖い。
もう当分新堂さんは遠慮しておきます。
と言いつつまた読んでしまうのは目に見えているのですが。
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21:08 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(2)
こんばんは!
私もつい先日読んだんですよ~。
三億を護れだったかで、初めて新堂さんの本を読んで2冊目だったのですが、こっちの方が面白かった・・・というか、読まずにいられない勢いがありました。
あまりの暴力のむごさとか、対立のすさまじさに引きつつものめりこんでしまって・・・。
ラストに残った人物があの人だったのがびっくりというか、盲点つかれました。
そして、私も疲れました(笑)。
で、次は「あなたに逢えてよかった」を読む予定。
こちらは乙女チックらしいので楽しみです。
何かはまってしまう新堂節。とりつかれそう。

2007/02/04(日) 22:40:10 | foo │ URL | [編集]

fooちゃん、おはよう♪
この本、fooちゃんの感想を見てから借りたんだよ。
面白そうと思って。
「三億を護れ」に比べたら、新堂節炸裂って言う感じで、いつもどおりの印象かな。
いつもね、「この人の作品、好きだ~♪」などとは決して思わないんだけど、どうしても読んでしまうのよ~。
fooちゃんが「三億」よりもこっちのほうが面白かったと言うのはちょっと意外な感じもするけど、びっくりして読まされてしまう気持ちはわかります。
「カリスマ」「鬼子」「無間地獄」など読んだけどほぼ同じテイストだから、よかったら読んでみて。
おススメできるなんて嬉しいわ(笑)
「あなたにあえてよかった」とはまた、凄いタイトルですが、新堂さんのノアール以外は読んだ事ないので、fooちゃんの感想楽しみにしているね♪

2007/02/05(月) 10:06:24 | short │ URL | [編集]

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