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王妃マリー・アントワネット―青春の光と影

4048737341王妃マリー・アントワネット―青春の光と影
藤本 ひとみ
角川書店 2006-11

by G-Tools


映画を観たので、大好きな藤本ひとみさんの「マリー・アントワネット」を読み返してみました。



タイトルから伺えるように、この作品はアントワネットの青春時代というべき若い時代を中心に描いてあるのです。
だから、「革命」のさなかのアントワネットを読みたいと思う人には、すこし期待が外れるかもしれない。この本は革命の足音が王妃にひたひたと近寄ってくるぞ・・・と言う所までしか描かれていないから。
しかし、若いときのアントワネットの心の移ろいなどはとっても丁寧に描かれていて、一気に読ませる。


「ベルサイユのばら」の中でも、嫁いですぐに宮廷の権力争いに巻き込まれる部分は見所の一つだった。が、ここではもうひとつ更に突っ込んで、ショワズール対デュバリー夫人の争いから細かく描いてあり迫力があります。
3人の伯母である内親王たちの人物描写も丁寧。彼女たちがアントワネットを「おもちゃ」のように影で操った様子がじっくり描かれていて興味深かった。

この宮廷の中で寂しく孤独な彼女が、どのようにしてフェルセンに引かれていったのか、心のひだをじっくり掘り下げていて、これも真に迫っています。

ルイ16世も気の毒ですね。泣けてきました。


藤本さんの著書でマリー・アントワネットを扱ったものでは「マリー・アントワネットの生涯」と「ウィーンの密使」の2冊を読んだ。前者は、悲劇の王妃と言う美化されたアントワネットの真実に迫ろうと、生まれたときから両親の性格やウィーン宮廷の環境などから、どうしてアントワネットがああいう軽い性格になっていったのか・・と分析するタイプの歴史エッセイで、後者はその性格のアントワネットを主人公にしたスリリングな宮廷小説となっている。
このときの、アントワネットの性格付けと今回はどうも違うように思われました。
「アントワネットの生涯」では、フェルセン伯爵の事も出世のために王妃を利用した部分があったとか描かれていて、とても好意的ではない描き方だったという記憶が・・・。「ちっ!フェルセンめ!『ベルばら』ではすごく善人ぶっていたのにホントはそんな姑息なやろーだったのか」と思った記憶があるので。
まぁ、どこの国も留学生を送り込むときはスパイの役目も負わせていたようですね。だから、後にフェルセンとアントワネットは繁く文通をするのだけど、その手紙はフェルセンがすべて母国スウェーデンの国王に横流ししていたとか?
でも、今回はなぜか、フェルセンがすごく好人物になっているのです。(顔はけなしてある。眉毛が垂れていて鼻の下が長くらくだのような口元・・・って、どんな顔じゃ~!!)
しかし、のちのヴァレンヌ逃亡のときにも一番力になったのはフェルセンだったようだし、王妃の処刑のあとは暗くなって生涯独身で通したと言うし、いったい王妃を本当に愛していたのか?それともただ利用していたのか?どっちなんだろう・・・。両方なのかもしれませんね。
そして、二人は「ベルばら」のなかでも、この本でも描かれたように、ほどプラトニックな関係だったのでしょうか。というのがすごく気になる。映画ではやすやすとそういう関係になっていたし。いったい事実は・・・??



それはともかく、あとがきで藤本さん本人が書いておられるのだけど、歴史を題材にするときは、一つ新しい事実が何かの拍子に発見されたとき、それまでの研究をすべて見返さなくてはならない事がある。そして、自分のその年齢などによっても、解釈が大きく違ってくる・・・と言う事。
だから、同じ著者でも数年前に書かれた本と今の本とは解釈が違うと言うコトなのかも。



まだまだアントワネットの本を何冊かは読んで行きたいと思う今日この頃なのです。
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13:45 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(2)
ふふっ、アントワネット病にかかってますな。
私はもう何年も、「ベルばら」の頃からだと、もう何十年も(爆~)

「青春の光と影」とタイトルにあるだけ、アントワネットの最盛期の頃が描かれていたよね。
「ウィーンの密使」「マダムの幻影」と読むと、アントワネットの生涯が読めるよね。私も再読したいものです。

私は長い間、「フェルセンは実際の人物なのに彼がいながら、なんであのようなお粗末な結末になったのよ」と思ったのよ。藤本女史の本を読んだら、その疑問は溶けたと。民衆のベルサイユ衝撃の時、怒り狂う民衆の前におじきをして、民衆の感情を押さえたというのも不思議としか思えなかったけど、これも藤本女史のおかげで長年のもやもやが吹っ飛んだし。これって、ベルばら、ツワイクの影響が強いかもね。

私もアントワネットの関連の著書もっと読みたいです。

2007/01/25(木) 22:35:16 | ラム │ URL | [編集]

らむりん、昨日これ、送りましたぞ~~。
再読してね!ますます映画への不満が沸いてくるかもしれないけど(笑)
フェルセンって謎だよね・・・。
ベルばらの中ではアントワネットを本気で愛したとなっていたので、そうなのだと思ってたら
「マリーアントワネットの生涯」では、スパイだとか出世のために利用しただとか書いてあったし
そうかと言えば今回のこの本ではまた、すばらしい男性に描いてあったでしょ。
きっとどのフェルセンも本当だったのだと思う。
スパイ行為もしたけど、アントワネットを愛していたと。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~french/index.html
ここ、知ってる?
面白かったよ♪

2007/01/27(土) 13:27:21 | short │ URL | [編集]

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