隠蔽捜査/今野 敏

4103002514隠蔽捜査
今野 敏
新潮社 2005-09-21

by G-Tools


これまた、タイトルからして想像したのとはちょっと違う内容でした。
警察小説ですが、ミステリーではないですね。
警察を舞台にしたミステリーかと思っていたけど、謎解きの部分はないです。
不測の事態に遭遇したとき、警察はどう言う態度をとるのか、ということを警察内部から一個人の目を通して追って行く物語です。
で、その、追って行く一個人と言うのがこの作品の主人公竜崎伸也、四十六歳、東大卒。警察庁長官官房総務課長。
わたしは警視庁とか警察庁とかの違いがイマイチ分からないで読んでたんですが・・・。派閥もあり意思の疎通も必要だけど上手くいかずで、結構難しいものだなぁと・・・。
発端は、連続殺人事件なのだけど、最初のうちはこの主人公のひととなりを延々と描いてあると言う感じで、しかも、このひとあんまり好感が持てず。東大にあらずば大学にあらず、見たいな主義で有名私大に合格した息子を「東大でなければ入るな」と一浪までさせているんです。
すごく自分の考えに凝り固まっていて、小学校のときの苛めの恨みをいまだに抱いているのが、官僚としての出世のバイタリティーの元だったりする。
一見人を見下していると思って、好きになれないこの主人公なんですが(こんな主人公じゃ、読む気にならないよ、と最初は思ったのですが)事件が大きくなっていくにつれ、その冷静な判断力や本質を見抜く慧眼などにだんだんと敬服の気持ちがわいてくるのです。
それも、それまでの主人公の人となりがあるからこそであるとわかってくるので、最初のイメージががらりと反転してしまう。
鮮やかなほどに。
警察全体を震撼させる出来事が起きるのだけど、それをどう収めてゆくのか、はらはらしながらもとても釣り込まれそして十分楽しめた。
何があっても動じない主人公の姿に感動さえ覚えました。
そして、なんとも爽やかなラスト。
面白かったです!!
おススメ!
19:56 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(5)
うふふ。ついに読まれましたね(笑。
これ、初めて今野先生の小説で挫折するかもって思ったんですよね。
だって、竜崎がめちゃめちゃやなやつなんだもん。
でも、shortさんのおっしゃるとおり、鮮やかに変わりますよね。
今野先生の警察小説が人気なのは、警察官の描き方なのかなぁと思います。
いやな警察官も出てくるけど、カッコいい警察官が必ず出てくるんですよね。
それになんといっても、読後感の良さですね。
人によっては物足りないと感じるのかもしれませんけど、私は「正義が勝つ」結末が好きなので、いつも満足です。
↓の膠着ですが、接着剤のメカニズムのところ、すごく面白かったですよね。
へぇ〜、そうだったんだ〜って、楽しく読めました。

2007/01/23(火) 20:47:39 | kei@管理人 │ URL | [編集]

きゃ〜!!
管理人になってる!
しかもパスワード入れてない!!
すみません!消しておいてくださ〜い。

2007/01/23(火) 20:49:00 | kei │ URL | [編集]

keiさん、コメントどうもです!
今野さんって、もっとハードな小説を書かれるのかと思っていましたので、特に「膠着」にはびっくりしてしまいました。新人とベテランでちょっと怪しげな・・・というとおぎりんの「神様からひとこと」を思いだします。接着剤はトリビアでしたね!
わたしは「隠蔽捜査」のほうが好みでしたけど、東大第一主義者がカッコよく見えると言うオチには、いまだにちょっとすっきりしない何かがあるような(笑)
でも、こちらの見る目を180度変えて行くという手口が鮮やかで唸ってしまいました!
小気味が良かったです!
わたしも正義が勝つっていう結末は好きですよ。
読後感が爽やかなのもよかったです♪
(でも、ドロドロも好きなのです・・・)
翔ままちゃんが掲示板でおススメしてくれているので、つぎはそれも読んでみようかなと思います。
今回「使命と魂のリミット」も読んだけど、「隠蔽捜査」のほうが面白かったです!

おっと、お名前気にしないで下さいね。

2007/01/23(火) 23:21:35 | short │ URL | [編集]

おはようございます〜。
今野さん続けて読んでらっしゃいますね!
今年は私も今野さんにはまりそうです。
「隠蔽捜査」はホント主人公が最初ムカつくんだけど、描き方がうまくって引き込まれました。
それに主人公の奥様が私は大好きでした。
理想の妻・・・でした(笑)。

2007/01/24(水) 08:57:03 | foo │ URL | [編集]

fooちゃん いらっしゃい。コメントありがとう♪
面白かった〜隠蔽捜査!
最初、この男が主人公のわけはない、あとで真打が登場するのに違いない
とか色々思って読み進めていたんだけど
結局、彼は何も変わってないけど読み手のこっちの目線が変わると言うか。
東大第1主義者だからと言って、あたまから「嫌い」と決めてかかるのもやはり一種の偏見だと思いました。
ま、東大の事を差し引いても嫌なやつだったもんね。
うんうん、奥さんはすばらしかった!
理想の妻?理想的な夫婦だったよね♪
わたしもあんなふうに成りたいと思ったけど
うーん、多くは語りますまい(笑)

2007/01/24(水) 23:06:15 | short │ URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可

トラックバック

この記事のトラックバックURL