2007'01.23
![]() | 隠蔽捜査 今野 敏 新潮社 2005-09-21 by G-Tools |
これまた、タイトルからして想像したのとはちょっと違う内容でした。
警察小説ですが、ミステリーではないですね。
警察を舞台にしたミステリーかと思っていたけど、謎解きの部分はないです。
不測の事態に遭遇したとき、警察はどう言う態度をとるのか、ということを警察内部から一個人の目を通して追って行く物語です。
で、その、追って行く一個人と言うのがこの作品の主人公竜崎伸也、四十六歳、東大卒。警察庁長官官房総務課長。
わたしは警視庁とか警察庁とかの違いがイマイチ分からないで読んでたんですが・・・。派閥もあり意思の疎通も必要だけど上手くいかずで、結構難しいものだなぁと・・・。
発端は、連続殺人事件なのだけど、最初のうちはこの主人公のひととなりを延々と描いてあると言う感じで、しかも、このひとあんまり好感が持てず。東大にあらずば大学にあらず、見たいな主義で有名私大に合格した息子を「東大でなければ入るな」と一浪までさせているんです。
すごく自分の考えに凝り固まっていて、小学校のときの苛めの恨みをいまだに抱いているのが、官僚としての出世のバイタリティーの元だったりする。
一見人を見下していると思って、好きになれないこの主人公なんですが(こんな主人公じゃ、読む気にならないよ、と最初は思ったのですが)事件が大きくなっていくにつれ、その冷静な判断力や本質を見抜く慧眼などにだんだんと敬服の気持ちがわいてくるのです。
それも、それまでの主人公の人となりがあるからこそであるとわかってくるので、最初のイメージががらりと反転してしまう。
鮮やかなほどに。
警察全体を震撼させる出来事が起きるのだけど、それをどう収めてゆくのか、はらはらしながらもとても釣り込まれそして十分楽しめた。
何があっても動じない主人公の姿に感動さえ覚えました。
そして、なんとも爽やかなラスト。
面白かったです!!
おススメ!





これ、初めて今野先生の小説で挫折するかもって思ったんですよね。
だって、竜崎がめちゃめちゃやなやつなんだもん。
でも、shortさんのおっしゃるとおり、鮮やかに変わりますよね。
今野先生の警察小説が人気なのは、警察官の描き方なのかなぁと思います。
いやな警察官も出てくるけど、カッコいい警察官が必ず出てくるんですよね。
それになんといっても、読後感の良さですね。
人によっては物足りないと感じるのかもしれませんけど、私は「正義が勝つ」結末が好きなので、いつも満足です。
↓の膠着ですが、接着剤のメカニズムのところ、すごく面白かったですよね。
へぇ〜、そうだったんだ〜って、楽しく読めました。
2007/01/23(火) 20:47:39 | kei@管理人 │ URL | [編集]