わらの人/山本甲士

4163254803わらの人
山本 甲士
文藝春秋 2006-11

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気が弱く、言いたいことも言えず不正の片棒さえも、不本意ながら担いでしまう主人公のOLが、ふっと気まぐれで入った「理容店」。そこで自分が知らないうちに眉毛を整えられていた。すると、ああらびっくりなんだか自分の性格が変わったみたい。この眉毛に似合うようなメイクをしてみれば、今まで似合わないと思ってたスーツもビシッと決まる気がする。はたして意気地なしのOLは、生まれ変われるのだろうか?

この不思議な理容店に入った人々は、女主人の手技にうっとりと眠気を誘われ、夢うつつのうちに女主人の言うがままに「変身」してしまう。
その「客」となる人々が、理容店への入店前と入店後にどう変わるかを描いた連作短編集。

山本さんの作品と言えばなんと言っても「どろ」「かび」「とげ」が面白かったし、こういうカラーの作品を書く人だと思っていたら「ぱちもん」みたいな、泥臭いけどどこか爽やかな物語りもよかった。
それに比べたらちょっとパンチに欠けた気がしたけど、人間なにかほんのちょっとしたきっかけがあれば、今までの自分と違う自分に変われるかも知れない、そして人生前向きに生きる事が出来るかも、というメッセージが心地よかった。

特に好きだったのが上司と一緒のハイキングの途中でプチ遭難してしまう会社員の話。いつも頼りない彼がやけに頼もしく見えるのは、いわずと知れた「髪形」の変化のせい・・・だけでは、決してないところがミソですね。



ぱちもん
ぱちもん山本甲士

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どろ あかん 三丁目の夕日 かび とげ

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