雨のち晴れ、ところにより虹/吉野万里子

4103006323雨のち晴れ、ところにより虹
吉野 万理子
新潮社 2006-07-20

by G-Tools


吉野万里子さんって、初めて。
お名前も存じ上げませんでした。

●第一話:なぎさ通りで待ち合わせ
●第二話:こころ三分咲き
●第三話:ガッツ厄年
●第四話:雨のち晴れ、ところにより虹
●第五話:ブルーホール
●第六話:幸せの青いハンカチ

人の繋がりは優しさだけで出来ているんじゃない。
でも怖がるだけじゃ何も始まらない事だって知っている…。
夫婦のすれ違い、親子の行き違い、親友との仲違い。
きっかけはみんな些細なことなのに、思いがねじれて交錯する。
人は何度でも幸せになる資格がある。
      帯より


ちょっと誤解したりけんかをしたりした友達や夫婦たちが再び心を通わせるようになるまでを描いてある短編集です。
心がぽっと温もる感じの残る読後感の良い短編ばかり。
たとえば、第一話の「なぎさ通りで待ち合わせ」は「食」の不一致から離婚寸前になってしまった夫婦のものがたり。「性格の不一致」って良く聞くけど「食の不一致」とは!実際些細なことが夫婦に亀裂をもたらすのは、長年「夫婦」やってると実感としてわかる。これもきっとあるだろうなと言う感じがした。
母子家庭の娘が、『大学進学をきっかけに母親が再婚を考えている』と思い悩む「こころ三分咲き」もなかなか予想外の展開が面白かった。けど、この物語の中で、塾講師をしている母親の同僚が、主人公に向かって「大人になって母親を解放してやれ」と言うような進言をする場面があるんだけど、これがとってもむかついた。
そのタイトルどおり「ガッツ厄年」は、厄年にいやなことが重なる女性たちを描いてある。わたしは厄年って言うのが何歳なのかも知らないで生きていますが(当然お払いなども受けたことがない)「厄年」と言う存在を『許容』と言うのはへんないい方だけど、自分の中に置くことで、却って気分が楽になることもあると、目からうろこの物語でした。
「雨のち晴れ・・・」表題作だけあってこれが一番よかった。
入院中の主人公に、なにかと構ってくる看護婦。主人公が決着を付けたい過去がなぜか、人生の終焉を過ごすホスピスで頻繁によみがえる。思いがけない真実と、幻のような希望…。なぜか爽やかな読後感でした。
「ブルーホール」うーん、これだけはものすごく読みづらかった。なぜだか解らないけど、文章がすんなり読みこなせないと言うか。
「幸せの青いハンカチ」は、友達の結婚式に悶々とする主人公の心情を描いてあります。
あさみさんにお借りしました。
ありがとうございました。

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19:36 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

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