FC2ブログ

未亡人の一年/ジョン アーヴィング

4102273085未亡人の一年〈上〉
ジョン アーヴィング John Irving 都甲 幸治
新潮社 2005-08

by G-Tools

4102273093未亡人の一年〈下〉
ジョン アーヴィング John Irving 都甲 幸治
新潮社 2005-08

by G-Tools



な・・・長かった…。
著者の作品は「サイダーハウス・ルール」に続き(続けて読んだわけでないけど)2作品目。独特の語り口に、なんか知らんが釣りこまれて読んでしまいます。

主人公は誰なんだろう?
16歳のエディと情事を重ねる39歳の人妻。
そして、それを陰で操る夫…。
4歳の娘は情事の現場を目撃!!
なんてドロドロした物語が始まるのか!
…なんて、ちょっと聞くとそう感じるかもしれません。
でも、違う。
特に最後のセリフに「やられた!!」と思いました。
著者は絶対に、このセリフが書きたかった
狙ってたのでは?
狙いどおりにやられ、泣きました。



物語は、第一部の1958年の物語、第2部の1990年の物語、第3部の1995年のものがたりと分かれています。

第1部の1958年、16歳のエディ・オヘアは夏休みの間、住み込みで作家テッド・コールの助手のアルバイトをすることになった。
テッドにはマリアンという39歳の美しい妻と、4歳の娘ルースがいる。
ルースが生まれる前に、夫妻には2人の息子がいたが、事故で亡くしていた。
そのために生きる屍となったマリアンと、マリアンに強く引かれたエディは情事を繰り返す。
しかし、夏の終わりにマリアンは忽然と姿を消してしまう。ルースを残して。

第2部第3部では、大人になり作家となったルースがエディが30年ぶりぐらいに再会してからの物語となっている。

全編をとおしてわたしはマリアンの存在感を強く感じる。マリアンのというよりも、マリアンの哀しみ、慟哭、絶望、虚無感…と言うべきだろうか?
子どもをあのような形で亡くしてしまったマリアンの心中に思いを馳せないではおれない。死にたいと思ったかもしれない。しかし、死ぬことすら意味がないと思えたのではないだろうか。毎日毎晩繰り返し、同じ写真を見ながら兄弟の物語を語りつづけるマリアンの深い悲しみが全編に溢れていて、読者をそして、エディやルースを呪縛する。
とりわけ、第2部以降、ルースがエディに再会して母親の話をエディの口から聞くとき、マリアンの悲しみだけではなくエディのマリアンに対する深い思慕と愛情をまざまざと見せ付けられる。こんなにも深く人を愛することが出来るのだろうかと言うほどにエディの愛は深く、そして、たった一夏の間の関係だったにも関わらず、マリアンの悲しみを理解していることに、胸を打たれた。
ルースをとりまく人間模様、父親との関係や恋人アラン、友達ハナとの関係を交えて、作家としてのルースの生活やその中で起きる事件など、様々なことがスリリングに、しかし淡々と描かれてゆく。
前半はエディが主人公で後半はルースが主人公、そして最後はまたエディが主人公と言う風にそのときによって視点が変わるけれど、わたしは影の主人公はマリアン、あるいはマリアンの悲しみだと思った。
だからこそ、ラスト近くからラスト一行にかけての展開は、涙なくして読めず…。長い長い旅の終わりに得た安息のような、それまでに感じた悲しみの深さと同じくらい深い感動を覚えた。

はな様にお借りしました。ありがとうございました!
スポンサーサイト



12:07 : [本・タイトル]ま行トラックバック(0)  コメント(7)
お疲れ様でした~^^

 私は他のアーヴィング作品にくらべれば読みやすいとおもったけど、何しろ長いんだよねえ(笑)

うん、最後のセリフがね、粋ですよね。
しかし、この作者は男のくせにどうして母子の葛藤がこんなにリアルに描けるのかしら。

 私、ルースのイメージって
ジョディ・フォスターなんですよね~。^^

2006/09/12(火) 17:30:43 | はなすけ │ URL | [編集]

はに~~♪
長いけど面白かった~。
映画も見たいね。映画は原作の最初のほうだけだって言うんだけど、どこまでだろう。気になるね~。
わたしは大きくなってからのエディがイーサンホークかエドワードノートン。情けない系の男なんだけど。
母子の葛藤、殆ど一緒にいる場面がないのにね。すごい人です!

2006/09/12(火) 21:26:57 | short │ URL | [編集]

しょ~とさま、初めまして。TBがうまくいかないので、URLを貼っておきました。
私は映画を観てから原作を読んだのですが、キャスティングしてしまいますよね。
ジョディ・フォスター、わかります。でも私はケイト・ブランシェットにしました。
イーサンはハリーを。マッチョな読書家になってもらいます(笑)
映画は原作の1/3でしたが、忠実に映像化されていたと思います。
ではでは。

2006/09/27(水) 10:25:06 | 真紅 │ URL | [編集]

いらっしゃいませ、真紅さん♪
良く見つけてくださいました。ありがとうございます!
映画をご覧になったのですね。わたしは見てないけど、マリアンのキャスティング、すっごいビンゴと思いました。
わたしも映画を見るつもりはあるので、いつかまたその時もお話させてくださいねー。
TBしてくださったとのことありがとうございます。結構届かないことが多いのです。ご迷惑おかけしてゴメンなさいね^^;

2006/09/27(水) 11:21:42 | short │ URL | [編集]

 人気グループ、モーニング娘。を卒業した紺野あさ美(19)と小川麻琴(18)にとっては最後の写真集となる「モーニング娘。in Hello!Project2006」が21日に発売される。
 作品は7月22・23日に東京・代々木競技場で開催されたハロー!プロジェクトのコンサートの様子を収録したもの。ステージ、リハーサル、楽屋などメンバーの素の表情が満載。同日には若手2組がメーンの「Berryz工房&℃-ute in-」も発売される。
⇒ http://caribiann-kamekame.com/ippondo.html

2006/09/27(水) 15:55:01 | お名前は? │ URL | [編集]

やっと、やっと、やっと、読み終えました。
「ドア・イン・ザ・フロア」の映画が、マリアンが、家を出るところで終わっているので、そのあとが気になって読んだのです。
そして。読んでよかったと思いました。
だって中途半端なところで終わっていて、もやもやしていたものが、吹っ切れた感じです。
ラストは感激でしたよね。
TB試みましたが、反映されてないようです。

2006/11/02(木) 19:21:15 | 花 │ URL | [編集]

花さん!おめでとう♪
「やっと、やっと、やっと」っていうところにご苦労が偲ばれます(笑)
長いもんね~~。でも読んでよかったー!!って思わせられますよね♪
花さんもラスト、感動でしたか!うんうん、わたし泣きましたもん。
この著者の作品は長いだけに登場人物たちへの思い入れも強くなりますね♪
TBありがとう。ごめんなさいね。わたしからも送ってみますね。

2006/11/03(金) 16:58:15 | short │ URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可

トラックバック

この記事のトラックバックURL