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空中ブランコ/奥田英朗

4163228705空中ブランコ
奥田 英朗
文藝春秋 2004-04-24

by G-Tools



伊良部シリーズ第2作。
これも、「イン・ザ・プール」に続き、一気に読んでしまった。
面白かった~~!!

収録作品

●空中ブランコ
●ハリネズミ
●義父のヅラ
●ホット・コーナー
●女流作家

「空中ブランコ」
スランプのブランコ乗りの物語。自分の姿を直視しようとせず失敗の原因を他人に求めて一人焦る主人公。サーカス団に入り込み、空中ブランコを体験して、やっぱり主人公を振り回し、結局主人公は自ら飛べない原因に気付いてゆく。
伊良部先生の空中ブランコ、見てみたい!!
イマドキのサーカス団の内部って(組織)こんな感じなのね、という新発見もあり。主人公と、ライバルの和解は胸が温かくなる。

「ハリネズミ」
先端恐怖症のヤクザの話。
この設定からして面白い。そしてまたヤクザなんかには全然動じない伊良部先生が(マユミ看護婦も)すごく頼もしく見えてくるから不思議。

「義父のヅラ」
医学部の同窓会に出席した主人公。かれもまた精神科の医師。義父のヅラをはずしてみたいと思う欲求と戦っている。
同窓会で伊良部先生が、同窓生たちに悪口の餌食にされてるシーンでは、めちゃくちゃ頭に来てしまう。なんで?不思議(笑)
ミエミエのヅラって、こっちも困るんですよねぇ。夫のかつての上司が、久しぶりに会ったときヅラをやめてて、頭に手をやりつつ「はずしたぞ!」と言ったらしい。こう言う爽快感がある作品(なんのこっちゃ)

「ホット・コーナー」
コントロールに狂いが出たプロ野球の内野手。ルーキーに対する嫉妬と焦りからストレスが講じたものらしい。のらりくらりととんちんかんな事を言いながらも、きっちり患者に口を割らせて原因を追求する伊良部先生の見事さ!届けてるのかはたまた、真に腕のたつ精神科医ってことなのか…。と言うところがミソですね。

「女流作家」
自分の書く物語が、過去の作品の焼き直しではないかと言う強迫観念にとらわれて書けなくなった女流作家の話。
これ、「ガール」の流れのような…。伊良部先生との掛け合いがまた面白いけど、それ以上に作家としての内面描写が見事。いい物を書いても売れない。売れないけどいいものが書きたい。その葛藤から、スランプに陥り、立ち直るまでを描いてあるけれど、最後に主人公が悟った部分は感涙でした。マユミ看護婦の態度も。世の中、良いものを作っても売れないことのほうが多いのかも。マスメディアに乗せられて安易に作品を選んでいるのは、あんたたちだよ、と指差されたようでハッとさせられた。
この話が2冊通して一番よかったな。

「空中ブランコ」「イン・ザ・プール」はkigiさんにお借りしました。ありがとうございました♪
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