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【本】5月の読書

5月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:1143
ナイス数:43

メタボラ (文春文庫)メタボラ (文春文庫)感想
確か4度目の再読。「だから荒野」を読んだのが呼び水に。桐野作品中マイベストです。何もかも捨て、まったく違う自分になる清々しさみたいなものへの憧れ、「だから荒野」も「OUT」も通じるものがあると思う。過去やしがらみを根こそぎ捨てる(失くす)という。つまり、リセット。出来るならリセットしたいと思う時がある。だから惹かれるんだと思った。ラストは特に大好きで何度も繰り返して読んだ。ジェイクは何を考えて殴られてたのか?なぜギンジを呼んだのか?切なくてならない。物語は続く?いや、この先はないのだと私は思う。
読了日:05月28日 著者:桐野 夏生
だから荒野 (文春文庫)だから荒野 (文春文庫)感想
面白かった!ダメな夫に愛想を尽かした妻の行動が思い切り良すぎて痛快。羨ましいくらい。登場人物がいちいち桐野的というか、読めてしまったかな。でも最後にはホロリとさせられた。あー、面白かった!
読了日:05月10日 著者:桐野 夏生

読書メーター


コロナのせいにするのもなんですが、また読書出来ない人間に戻っています。
でも、5月は辛うじて2冊読めました。

↑の読メの感想とすこし重複しますが、ここでも感想書いておきます。

まず桐野夏生さんの「だから、荒野」を読みました。
とても面白く読んだので、桐野作品では一番好きな「メタボラ」を再再再再読しました。
最後に読んだのがけっこう前だったので、いつものように良い頃合いに細部を忘れていて、新鮮に面白く読みました。
やっぱりメタボラ大好きです。

少しネタバレします。


だから、荒野
これは、主人公は専業主婦で、常日頃から夫と息子二人に不満があったのですが、自分の誕生日なのに家族からなんの思いやりも感じられなかった時に感情が爆発し、キレてしまい、そのまんま出奔してしまうという物語です。
一家の主婦としては当然、主人公に共感しながら読み始めるのですが、夫側から見ればやはり言い分はあるのでしょう。
家族もなにもかもを捨て、どこか遠くに行きたいという欲求は、誰にでも少なからずあるのではないでしょうか。
でもやりたくても出来ないし、やらないのが大勢かなと思います。それを行動にうつすところに、物凄く爽快感を感じました。
そのあと主人公は、もちろん順風満帆な逃亡??生活を送る訳ではなく、いろんな困難やいろんな人との出会いで変わって行くのですが、出てくるキャラクターが少し桐野作品定番みたいな感じがして、意外性がなく行動が読めてしまうのが少しだけ残念だったかも??

過去を捨てる、という点で、私は「メタボラ」を思い出したのです。
メタボラでは、記憶喪失の青年と、家族を捨ててしまった少年が(こちらの少年にはぜんぜんそんな悲壮感がないのですが)出会い、必死に生き抜こうとする物語です。

こちらもここからは結末に触れるネタバレです。


記憶喪失のギンジは記憶喪失の原因が何であるか、知るのが怖い気持ちで、けれど生き抜くために必死です。
でも、記憶を取り戻してみれば、彼はネットの集団自殺の希望者でした。
記憶を失うことで過去を切り捨てようとしたのかなと思いました。こんなにも必死に生きようともがいている人間が実は自ら死のうとしていたという皮肉。そして怒涛の如く蘇るギンジの記憶の凄まじいこと、圧倒されるのです。

その中で、家族のアルバムを見ながら自分たちを奈落の底に突き落とした父親との思い出が蘇り、咽ぶシーンがありまして、切なくて泣けました。毎回ここで泣いていないと思いますが今回は泣けました。


ラストの章が特に好きで、ここは何度も読んではその度に泣けてしまいます。
ジェイクはリンチに合っている時に何を思っていたのか、最後に(本能的に助からないと思ったのかも)ギンジに会いたいと思ったこと、自分がやられている原因の一端にギンジの告げ口があったかも知れないのに恨み言のひとつも言わないこと、ギンジがジェイクのために駆けつけ、その姿に泣きじゃくったあげく、迷うことなく釜田の、いや香のお金をジェイクのために盗もうと決め実行したこと、ふとそこで父親を理解したこと、そんなこんなの二人が物凄く愛しくて哀しいです。
フェリーに乗った二人がこの先どうなるのか、考えられません。
私の中ではこの物語はここでおわり、この先はないのです。ひとつの絵のように。


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