【映】グッド・ネイバー

グッド・ネイバー [DVD]
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WOWOWで鑑賞しました。

私が録画する映画を選ぶときは、一応短い紹介文を読むのだけど、録画してもすぐには見ないことが多いので、見るころにはその紹介文を忘れているし、あるいは興味を削がれてしまっていて、そのまま見ないで消したりDVDに移してため込んでおくことも多いです。

この映画は、そんな風に「見ずに消す」寸前でした。
でも、ふと見始めたら結構面白くて、最後まで見て、そして気に入りました。

しかし、見る気満々で「面白いという評判」とかおすすめされたとかで、期待して見たならどうだったでしょうか?

映画って(本でも同じだけど)何にも知らずに見たほうが、面白いですよね。
私が紹介してこの映画を見る人はほとんどいないと思うけど(見てくださる方がごく少数のブログなので)でも「面白い」と書いてあって見たらつまらんかった、、とかあり得ますよね。

その点私はほとんど白紙状態で見ることができたので(記憶がなくて汗)、ラッキーだったかなぁ。

前振りが長すぎたけど(^^;

というのは、あとでこの映画のジャケットを見たら、私の感想とは全然違う方向だったので、ひょっとしてそっちの方面を期待してみていたら、ここまで面白く感じなかったかもしれないな~など、思った次第です。

「このジジイ」かなりやばい

という惹句。

以下、ネタバレです。





私に言わせると(誰に言わせてもそうだと思うけど)やばいのは高校男子のほうです。

イーサンとショーンという二人の男子がいまして、イーサンの家の向かいに住む老人が偏屈で変人で、ひょっとして奥さんを殺した疑いがあると言い、ある実験を仕掛けます。
老人の留守の間にその家に侵入して、隠しカメラを設置、随所に仕掛けをして、霊の存在を信じ込ませることができるか…という実験です。
カメラの前でイーサンが語り、友人を映し、その実験の方法などを説明する…「ブレアウィッチプロジェクト」に代表されるPOV方式のモキュメンタリーといわれる手法で始まるので、私が苦手なヤツ…と敬遠しました。
ただ、この映画を見る直前に、NHK世界のドキュメンタリーの「ショックルーム ~伝説の“アイヒマン実験”再考~」ってやつを見たばかりだったんです。

恐怖や権威によって支配された時、人はどこまで残酷になれるのか。ナチス戦犯の裁判で知られる有名な心理実験を再現し、人間の良心の限界と可能性を探る。

ナチス政権下でホロコーストの主導的役割を担ったアイヒマンの裁判が行われた1961年に米エール大学のミルグラム博士によって行われた通称「アイヒマン実験」。命令を聞く立場の人間は、権威者の指示に従って他人に電気ショックを与える残酷な行為も“自分は命令に従っただけと自らを納得させてしまう”という実験結果で知られる。番組では現代の役者がこのテストを再現。アイヒマン実験の、知られざるもう一つの真実を証明する。


それで、「心理実験」というのにいつもよりも余計に興味があったんですね。
だから嫌いなPOV方式でも、見るつもりになりました。
でも、POV方式だけではなくて、普通の映画の部分もあり、これなら大丈夫かなぁとみていくと、一転、場面が裁判の場面に変わります。
いったい何があって裁判になってるんだろう?
そして、誰かが死んでしまったということが明かされます。
そこでもう、興味がぐぐーーーっとあがって、とても面白く見ることができました。

このジジイかなりやばい

たしかにそういう場面があり、ひょっとして「ドントブリーズ」みたいな感じのジーさんなのかなと思わせる。
けれども、逆に、どんどん実験をエスカレートさせていくイーサンのほうに違和感を感じます。
ショーンはまともな部分を残していて、実験をやめたいのです。
でもそれを許さないイーサン。
どこか狂気めいている。
やばいのはこの男子たちのほうです。
この男子たちの行動から目が離せませんでした。
闇が深すぎる(^^;
こういうのが好きです。(問題発言かな)

たしかに刺激としては「ドントブリーズ」よりも少ないです。
暴力や殺人がたくさんあるわけではないし。
そういうのを期待してみてたらきっとがっかりするかも。

私は、あくまで男子たちが何をしでかして、どういう結末になって、なぜ裁判に?誰が死んだの?誰が殺したの?何があったのか?が気になって見ていたので、その結末にはとても深い感銘を受けました。

以下、結末です。

イーサンの両親は離婚しており、母親と二人で暮らしているのですが、その原因は父親のDVにあり、DVから逃れるためにイーサンの母は向かいの偏屈ジーさんの家に逃げ込んだのです。
偏屈とのことですが、当時じーさんはイーサンの母を助けて、その直後両親が離婚したために、イーサンは離婚がジーさんの(名前ややこしいね)せいだと、恨みを抱いていました。
そこで最近できた裕福な友達ショーン(こちらも両親の離婚により放任気味)を巻きこみ、機材を提供させ、ジーさんの観察&実験と銘打って、要するにジーさんに仕返しをしているのです。
霊があたかもポルターガイストを起こしているように、ドアをバタバタさせたり、音楽を鳴らしたり。
場面は時々ジーさんと一緒に暮らしている女の人のいる場面になりました。
女性はどうやらジーさんの奥さんみたい。
あれ?奥さんは死んだのでは?その奥さんが、ドアを直せ、と頼んだり、夜中に音楽を鳴らして踊っていたり…。
男子たちが仕掛けたいたずらで奥さんも困っているように見えました。
しかし、それは過去の場面、ジーさんの回想シーンでした。
「超常現象」を全く怖がらないジーさん。
やがて男子ズは地下室の存在を知ります。
ジーさんが長時間地下室にこもっている。
いったい何があるのか。それこそがジーさんの正体を明かすカギになるのでは。
地下室に忍び込もうと主張するイーサン、それはだめだと止めるショーン。
折衷案として、匿名の電話を警察にかけました。
「あの家の地下室から女性の叫び声がする」
警官はジーさんの家にやってきて、地下室を見たいと言います。
ジーさんは男子ズの思いに反して、あっさりOKを出しました。
地下室には何もないと確認する警官が帰っていきました。
納得できないイーサンは、ついに自分で地下室に潜り込みます。
大したものはそこにはなくて、がっかりするイーサンですが、ひとつだけ、ハンドベルを持ち出して玄関に戻ります。
そのとき、地下室でベルをうっかり鳴らしてしまい、じーさんはその音で起きてしまいます。
玄関の部屋に来たジーさん、イーサンはカーテンの陰に隠れています。
ジーさんはハンドベルを見つけました。
ハンドベルを中点として、その向こうに隠れているイーサンが見えるのかのように、銃口を向けるジーさん。
イーサンも拳銃を持ち込んでおり、震えながらも構えました。
そのとき、ジーさんは自分のこめかみに銃口を当て発砲。
なんと自殺してしまったのです。
一部始終をイーサンの部屋のモニターで見ていたショーンは慌てて駆けつけました。
イーサンは家中に自分たちの指紋がついており、しかもカメラを設置しているのを隠そうと、カメラの回収などの証拠隠滅をしようとしています。
そこに警官が駆けつけ、二人は逮捕されたのでした。

じーさんは妻を病気で亡くしていました。
ドアが壊れた時、直してと言われたことや、病気になった妻がつらくて夜中に泣きながら音楽をかけて踊ったり、男子たちが仕掛けたことごとくが妻との思い出を喚起していました。そして、亡き妻がやってきたのだと、思ったことでしょう。
妻を愛していたジーさんは、妻の霊を怖がったりしていなかったと思います。
警察官が言う「地下室から聞こえた女性の悲鳴」も、妻の声かと思ったでしょう。
きわめつけはハンドベルです。
妻が自分を呼んでいる…それは病気の末期に、自分をいつでも呼びなさい、と妻にプレゼントしたものだったのです。
そのハンドベルがいつの間にかリビングに…。
妻が呼んでいるのだと思ったジーさんは、すぐに銃口を自分に向けたのでしょう。

実験の結果としては「成功」でしょう。
ジーさんは妻の霊を信じたのですから。
でも、そのために、ジーさんは死んでしまいました。

ストーリーはその裁判の様子をさしはさむ形で進み、最後に判決が言い渡されます。

判決は、「2年間の保護観察と500日の奉仕活動」でした。
ひと一人を自殺に追い込み…しかも、「悪ふざけ」で、です。
あまりにも軽い罰。
未成年で前科もないため?

ショーンはきっと自分の犯した罪を悔いていると思いましたが、イーサンはマスコミに取り囲まれて呆気にとられたその表情から「こいつは反省してない。のちに自分がしたことを自慢すらするのではないか」と、思わされました。
イーサンは隠しカメラで、ショーンと彼女のイチャイチャするところをのぞき見しようとしたり、両親の離婚が原因なのかともかくねじくれています。将来またとんでもないことをしでかしそうな気配です。
ストーリーが進みにつれ、どんどんやばくなっていく、この少年の心の闇が、ひとつの見どころになっていました。

とても後味の悪い結末ですが、とんでもないと思っていたジーさんの、奥さんへの愛情を感じて切なくさせられました。
人は見かけによらない。
イーサンの言うままに、ジーさんの正体を見誤ったショーン。
それは私も同じで、ひとひとりを判断するのに、評判に惑わされず、しっかりと心の眼を開いて見ないといけないと感じました。



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