【映】ブルー・ジャスミン

ブルージャスミン [DVD]
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KADOKAWA / 角川書店 2014-10-24
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ウッディ・アレン監督、ケイト・ブランシェット主演の映画。
とても面白かったです。
というか、演じるケイトブランシェットが秀逸で目が離せませんでした。
★★★★☆


感動するような物語ではないんですけどね。
あ~・・・たしかに、現実にいそう、こんな人、という感じ。
すっごくズレてる感覚、気持ち悪いぐらい。
こんな人が身近にいたら耐えられないだろうなぁ。
そうそうこんな人はいないと思うけれど、部分的には、誰しも持ってるかもしれないですね。
だから怖いもの見たさで見てしまい、高みの見物的に見ることで、自分はこうはならないと安心したい。
まるで他人事と言えるでしょうか?


セレブな奥様が破産して、軽蔑している妹の家に転がり込むところから、物語が始まります。
破産してるんだけど、身なりはそのまま、ブランド品に身を固め、なによりもファーストクラスなんかでやってくる。
冒頭から気持ち悪いぐらいに、思考についていけません(^-^;

そんな女のその後を描きつつ、セレブ時代のシーンを織り交ぜて、時間を行きつ戻りつして、その対比と原因を追究していきます。


以下ネタバレ





見ている間中、「アンタ、ナニサマだと思ってるの!!」の連続(^-^;
ともかく、現実と向き合えないのです。
自分が破産して貧乏・・一文無しだと言うことも、その原因が、自分の夫が詐欺師だったからだと言うことも。
夫が多額のお金をだまし取り、そのお金で贅沢三昧していながら「お金はあるところがないところに施すべき」とかなんとか、いけしゃーしゃーとよく言うよ!と思うし、
夫がまっとうに働いて得たお金じゃないと分かっていたくせに、自分のぜいたくな暮らしが最優先で、被害者のことも犯罪だということも、見て見ぬふり。
(実は知らなかったのかも?と、ちょっと思わせるんだけど、いや、実は確実に知っていた・・と、最後にわかります)
それどころか、自分も被害者面。
妹の夫をも破産させておきながら、罪の意識は皆無。
妹がそのことで離婚しても、知らん顔。
それなのに破産して住まいがなくなった途端、妹を頼る。
妹って言うのが、ジャスミンともども、もらわれた養子で、里親はジャスミンをひいきしたらしく、妹ジンジャーはぐれて幼いうちに家出したと言うから、このふたり姉妹と言うよりほぼ他人です。
似てないことこの上ない。
迷惑かけられている妹に同情はするものの、しかし、見事なほど妹に対して好感が持てない。
二人が並んでいたら、やっぱり人はジャスミンを好きになるのじゃないかな?
里親もそりゃ、ジンジャーよりはジャスミンを可愛がろうかと言うものです。

で、妹もなぜか姉に気を使い、姉の思考に感化されていって、恋人を嫌いになってしまったりして。
妹も謎だなーと思いました(^-^;
ジャスミンが妹の恋人を罵倒するのはやりすぎで、ほんと「ナニサマ??」なんだけど、ちょっとわかるんですよね。
妹の男の趣味が悪すぎます(^-^;
妹とのなにかにつけての対比が「これでもかっ!」って言うぐらいで凄かったですね。

ジャスミンに恋人が出来るんだけど、それがセレブなのです。
男運が悪い妹に対して、ジャスミンには「いい男」が寄ってくる。
でも、自分の素性をそのまま言えないジャスミンは嘘をつきまくり。
自分はインテリアコーディネーターで、夫は事故で死別、子どもはいない・・・など。
嘘がばれることも考えず、求婚されて有頂天。
ふつうは自分のついた嘘をどうしようかと、このままじゃ結婚できないと思うものでしょ。
その辺の、本気で、「なんにも考えてない感じ」がいっそすがすがしいほどです(^-^;

恋人の両親もジャスミンにベタ惚れしちゃったって・・。
やっぱり魅力的なんですよ、外見は。
きれいで優雅だもんね。

こうした「現状」に対して、さしはさまれる、「ここまでになってしまった原因」を探る「過去のシーン」。
途中からなんとなく感じていたけど、やっぱり・・・夫をFBIに売ったのはジャスミンその人でした。
夫に「お前と別れて19歳の現彼女と結婚する」と宣言されて、間髪入れずにFBIに電話してるもんね。これは、自分が夫の犯罪の証拠を握っていたって言うことでしょ。当然「知って」いたんですよね。

ジャスミンにとっては、夫の浮気、そのはてに19歳の「小娘」に夫が本気になり(ウッディアレンの自虐ネタらしい)、自分が捨てられることで傷つく自尊心、そっちのほうが重大事項でした!
FBIに逮捕されたそのあとの、「自分の境遇」をも、理解できず・・いや、「なんにも考えてない」ので、驚き・・・というか、それほどに我を忘れさせた夫の浮気と本気。

息子が母と決別して消息を絶ったのが、父親が働いた犯罪行為のためではなく、(それもあっただろうけど)母親が父親を売ったことへの絶望だったのです。
普通に考えて、普通の感覚なら、この息子と同じように感じるよね。
「まとも」な感覚の持ち主と言う感じがしました。

誰にともなく語るジャスミン。
冒頭と結末が同じように独り言をしゃべってるシーンです。
今後どうなるんでしょうか、ジャスミンは。
結局妹を頼らずにいられないのか、それとも、息子のところに行くのか。
ジャスミンに延々と振り回される「家族」も災難です。

いやもう、特別ミステリーと言うジャンルじゃないはずだけど、充分サスペンスフルでした。
満足!










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