2014'10.31
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太平洋戦争が終わって間もなくのころ、アメリカ大リーグで初めて黒人の選手が登場しました。
この映画はその選手、ジャッキー・ロビンソンがリーグに入ったいきさつや、選手として活躍し始めた時を描いた作品です。
当時は黒人差別が徹底していて、トイレやバスの座席が分けられていたように、野球のリーグも分けられていたのです。
二グロリーグと言うのだそうです。
黒人が「普通の」リーグで野球をするなんて青天の霹靂ほど「あり得ない」ことだったみたいです。
ハリソン・フォード演じるジェネラルマネージャー、リッキーは差別政策に反対で、黒人選手の有益性に気づきもし、一人黒人をリーグに入れようとしてリサーチします。そして白羽の矢が当たったのがジャッキーだったのです。
差別が「当然」だった当時、ジャッキーはそれは辛い思いをします。
敵チームはもとよりチームメイトもジャッキーを差別します。
ジャッキーをチームに入れないように嘆願書まで作ったりして。
GMのリッキーはそれもお見通しで、最初にジャッキーに言うんですよね。すごく大変な思いをすると。
「怒りを抑えられるか。
白人だけのチームに黒人がひとり、反応は想像できるだろう。
人種統合を嫌う人たちの憎悪の対象になる。
ホテルやレストランでひどい差別を受け、拒否されるだろう。
そのとき、君はケンカをして私の計画をダメにするのか?」
みたいなことを言うんですよ。(正確なセリフではないのであしからず)
ジャッキーは答えます。
「やり返す勇気のない男になれと言うのか」と。
それに対してリッキーは答えます。
「いや、やり返さない勇気を持つ選手になるのだ」と。
罵倒されて言い返せば奴らの思うつぼだ。
殴られ、殴り返せば二グロが暴力をふるったと
二グロは劣ると言われる。
奴らのレベルで戦ってはならない。
優れたプレーをすることで、敵をねじ伏せろ。
君が勝つ方法はふたつしかない。
立派な紳士であり、立派な選手だと示すことだ。
右の頬を殴られたら左の頬を差し出す勇気を持て。
そして、ジャッキーは答えます。
「もしもユニフォームと背番号をくれたら、勇気で答えます」
映画そのものは、このリッキーの言葉と、それに答えて紳士であり続け、優れた選手であったジャッキーの姿がすべてと言っても過言ではないでしょう。
いろんないやがらせや差別に会い、苦しみながらも、紳士であったジャッキー。
感動的ではありますが、いささか地味な展開だったかもしれません。
一度だけジャッキーがキレそうになるシーンがあります。
でも、ものの本・・じゃなくてもののブログによると、本当のジャッキーは一度たりともキレそうにすらならなかったんだそうですよ。すごいです。そのほうが感動です。でも、映画だとあんまりにも盛り上がりに欠けるから、きっとこういう設定にしたんでしょうか。
42というジャッキーの背番号は、全リーグの永久欠番だそうです。
このトゥルーストーリーは感動的です。
実話が映画を凌いでて、フィクションがかすんでしまった感じがしました。
最初は拒否していたチームメイトが次第に受け入れていく。
「全員が42をつけてたら誰だか区別がつかない」
なんて言うんですけど。これはあれですね。
金子みすずさんの「みんなちがって みんないい」。
号泣するような感動作ではないとは思うけれど、おススメ作品です。
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2014/11/01(土) 11:50:53 | くまま │ URL | [編集]