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摘出―つくられた癌/霧村 悠康

4797461268摘出―つくられた癌
霧村 悠康
新風舎 2005-09

by G-Tools


図書館でパッと目をひかれ、借りてきました。
現役のお医者さんが書かれた医療ミステリーで、医学界の現状を告発する内容になっています。

一番著者に聞きたいことは「こう言うことはほんとに、ほんとーーに、ほんとのほんとにあるんですか??」ということ。
ホラーよりも殺人よりも、もっと怖い気がした。

主人公は、新米医師だけど、医療に信念と情熱を持って、真摯な姿勢で取り組み、患者のことも心から思っていて評判もまた上々。
が!!
この、主人公、冒頭の乳癌の摘出手術でとんでもないことをしてしまう。それは「左右の乳房を間違えて切り取ってしまう」ということ。
どうしてそんなことになってしまうのか、なかば信じられない、でも、昨今のニュースなんかを見てるとあながち「そんなバカな!」と一笑に付すことは出来ない話です。
主人公の取り返しのつかないことをした混乱や焦燥感と、乳房を間違って切り取られたのが自分だったらと考えたときの絶望感などが、ががーっと押し寄せる冒頭の手術場面にはひざ頭が震える気がして釣り込まれた。

その後の展開は、サブタイトルの「作られた癌」と言う文句が語るとおり、病院側の失敗に対する隠ぺい工作が主体になっていき、前半に比べて失速してしまう。主人公の真摯な姿に救いを見出したい気持ちはわかりますが、でも、ちょっとヒューマニズムが「あまい」かな。ラストはかなり「きれいごと」って感じがした。
でも、いろいろと考えさせられた作品でした。
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