【本】夢幻花/東野圭吾

456981154X夢幻花(むげんばな)
東野 圭吾
PHP研究所 2013-04-18

by G-Tools



独り暮らしをしていた老人・秋山周治が何者かに殺された。遺体の第一発見者は孫娘の梨乃。梨乃は祖父の死後、庭から消えた黄色い花のことが気にかかり、ブログにアップする。ブログを見て近づいてきたのが、警察庁に勤務する蒲生要介。その弟・蒼太と知り合った梨乃は、蒼太とともに、事件の真相と黄色い花の謎解明に向けて動き出す。西荻窪署の刑事・早瀬らも、事件の謎を追うが、そこには別の思いもあった。

「こんなに時間をかけ、考えた作品は他にない」と著者自らが語る長編ミステリ。
出版社の紹介文http://www.php.co.jp/mugenbana/#story)


面白かった!吸引力はさすが。実はそんなに期待しないで読み始めたため(ゴメンナサイ!)意外にも面白くってハマった。
まず二人の主人公たち、蒼太と梨乃に好感が持てて共感できた。
なくなった鉢植えは何の花なのか?
あとになりすべて読んでから思うと、植物がそこまで謎めいている場合、結論はそう多くないはずで、自分でもその正体が分かってよかったはずなのだけど、読書中は何も思い当たらなかったので、すごくミステリアスな感じがして釣り込まれた。
ミステリー部分だけじゃなく、梨乃や蒼太の若者たちの生き方なんかも、読み応えがあったし、ふたりがこの先仲良くしたらいいなと思わされたりして、サイドストーリーも面白かった。
刑事の親子の物語もしかり。
たくさん物語が含まれていたけど、散漫にならず、最後はちゃんと風呂敷がたたまれてスッキリした。
東野さんが理系の人なので、こういう解説はとても説得力があり、花についての解説も面白かった。
黄色い朝顔が昔には存在していて、今は存在しないっていうのは、本当のことなのだろうか?
だとすれば、いま、何気なく見ている道端の花も、何百年後かには消滅してしまう花かもしれないと思ったりした。たしかに、外来種に押されて在来種は絶滅の憂き目に会ったりしてるから・・。本筋とは関係ないけど、そんなことも思いながら読めた。
もうひとつ、理系の東野さんならではの描写が、蒼太の「決意」だ。
蒼太は原子力を専攻していて、東日本大震災での原発事故でその分野生きていくことが難しいと思いながらも、「負の遺産を引き受ける人間も必要だ」と言う決意で、研究を続けることにしたのだ。
東野さんの気持ちが込められているんだろうと思うと、ファンとしてうれしい気持ちになった。

結構当りが続いてる東野さん、今後も楽しみですヽ(^o^)丿


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15:37 : [本・タイトル]ま行トラックバック(2)  コメント(4)
ねーさん、レビュー拝読したよ。
ヒットしてもらえてよかったです^^

幻のアサガオ、品種など、いつもながらジャンルの広さ、東野氏の博学ぶりには脱帽です。
花の香りに誘われるような、ミステリアスな世界に引き込まれたし、キャストに使い方もうまくて、運命が定められているのは「宿命」のように感じました。
蒼太の想いは作者の想い、確かに。
私の読みの浅かったかも。
ねーさんの読みの深さにも感服しました^^

2013/08/26(月) 23:01:08 | ラム │ URL | [編集]

ラムちゃんこちらこそ、ありがとう!!
東野さんは、この片田舎の図書館でも50人~100人待ちなので貸してもらえて助かりました。
ここのところ、結構あたりが多いよね、東野作品。
メガヒットじゃないけど、スマッシュヒットみたいな。
私はこの本、とっても楽しみました。
やっぱり若い二人の主役がよかったんじゃないかなぁ。
うがちすぎかもしれないけど、この蒼太くんは、ちょっと「ジェノサイド(高野和明)」の主人公に影響を受けたような気がします。
今後もせめてこのレベルを保って欲しい(ナニサマ発言だね~~(^_^;))

2013/08/28(水) 22:23:57 | short │ URL | [編集]

面白かったです!!
一気に読んでしまいました。殺されてしまった祖父が本当にいい人だっただけに、一体誰が!!!ってそれを知りたくて止まりませんでした。
まさか種が・・・とは。そして冒頭の通り魔殺人事件がそこに繋がるとは、意外でした。
もう少し大きなものにぶつかるかと思ってたので。

蒲生家の次男は初恋の子と、梨乃ちゃん、どっちが気になる存在になっていくのでしょう。
原発への言及は、確かにその通りって考えさせられました。日本は原発から逃げられない選択を確かに数十年前にしてるんですもんね。

2014/05/06(火) 17:45:56 | じゃじゃまま │ URL | [編集]

じゃじゃままさん、こちらにもコメントありがとうございます。
例によって細かいところは忘れてしまってるんですが(^^;
まだ1年たってないのに、忘れすぎますよね(^^;
すみません
覚えてたらもっと詳しくお話しできたんですけど。
とはいえ、面白かった記憶はあります。
原発、この本を読んだ時と、今とは世間の温度もかなり違ってるように思います。
だんだんと、その時の気持ちが薄れていくのでは・・。
そういう意味でも、この主人公?の男子に頑張ってほしいです!

2014/05/11(日) 14:19:30 | short │ URL | [編集]

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