【本】ドミノ倒し/貫井徳郎

4488027180ドミノ倒し
貫井 徳郎
東京創元社 2013-06-21

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「おれ」は、私立探偵の十村。恋人が死んだあと、恋人のふるさとである月影市で、探偵として開業した。
平和な田舎では探偵の出番はそうそうなくて、いつの間にか便利屋と変わらない仕事をしている。
そんなある日、美人が依頼にやってきた。
元彼が殺人事件の犯人として疑われている。疑いを晴らして欲しい。。。と。
その依頼人は、「おれ」の元彼女の妹だった。
殺人事件は詳しく調べていくと、連続殺人の様相を呈しており、そこには意外な真実が隠されていたのだった。



貫井さんには珍しく軽妙洒脱なコメディタッチのミステリーとなっている。
主人公が、気の強い依頼人に振り回される様子や、疑われている依頼人の元彼の、のぼーーんとしたキャラクターや、主人公の幼馴染の県警の所長のキャラクターなど面白く、なかなか読み応えがあった。

ドミノ倒しと言うタイトルに象徴されるが、どどーーっと次々に倒れていくように、真実が明かされていく。
貫井さんの作品には「プリズム」や「乱反射」があるけれど、なんとなく、ああいう物語の軽いタッチ版というか。。。次々に連鎖的に事件が起きていく部分が似ているように感じた。

納得しかねる部分もあるが、いつもの貫井さんのカラーでこの物語を書いてもらったら、もっと面白かったんじゃないか、コメディタッチはちょっと無理があったんじゃないかなと言う気持ちもするけれど、これはこれで、楽しめた。結末はかなり不気味だ。軽妙な物語とのギャップが効いているとは思う。

ネタバレ



殺された被害者たちは、月影市の「善意の」市民から見たら、誰もが「悪人」なのだった。
だから善意の人たちが作り上げた市民グループの、「正義」によって殺されてしまったのだった。
市民ぐるみで隠蔽というよりも、市民ぐるみの犯罪。
みんなは犯罪とは思っておらず、「断罪」したと信じ込んでいる。
法律では、納得できる量刑にならないことが多すぎると言う。
だから彼らは「マイルール」を作り、まじめにそれを遵守しているのだった。

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