【本】連続殺人鬼カエル男/中山七里

4796680896連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)
中山 七里
宝島社 2011-02-04

by G-Tools


「切り裂きジャックの告白」に登場する古手川刑事がとってもよかったので、その前編にあたるこちらを読んでみました。「切り裂きジャック」も相当グロいのですが、こっちはもっとグロかったかも・・(^_^;)。
夏の暑いとき、ぞっとして、ひんやり効果があるかもしれません・・・(^_^;)。

あらすじ・ネタバレです。未読の方ご注意です。











カエル男、というのは、犯人が残した犯行声明文からいつの間にか世間が命名したニックネームだ。
その手口はあまりにも残忍で、想像するだけでもおぞましい。
捜査に当たる古手川刑事は、過去に殺人を犯した人間を調べるうちに、ピアノの教師で音楽療法士の有働さゆりと出会う。それによって自分も音楽の素晴らしさを知る。
有働のところにピアノを習いに来る勝雄は、過去に幼女を殺した犯歴があった。
しかし、カナー症候群と言う自閉症のため、不起訴→措置入院→保護観察となり、いまさゆりがその保護司を務めている。古手川は有働の一人息子、真人とも懇意になっていく。
そんな時、真人がカエル男に殺されてしまう。
犯人はいったい誰で、被害者たちにはどんなつながりがあるのか。
平行して語られる、ナツオという少年視点の物語。彼は実の父親から性的虐待を受けている。
父親への強い恐怖心から、それを乗り越えるために、自分こそが恐怖になるのだと決意するナツオ。最初は小動物の殺害から、やがて近所の小さい女の子を手にかけてしまうのだった。
彼の数年後が勝雄なのか?

物語の核には思わぬ登場人物がいて、何層にも入り組んだ犯罪となっていた。
何度も翻る「結論」で、読者は翻弄されてしまう。
本当の結末は意外だったし、また、そこにもオチがついていて、とてもよく出来たミステリーだと思った。
刑法39条のこと、音楽療法のこと、古手川の過去、色々と盛り込まれていたけれど上手く絡み合い、散漫にならなかった。



結末↓











まず、殺害対象が、あいうえお順という事に驚く。
一見、勝雄の犯行と見せかけて、実は有働の犯行。で、また驚き。
なんせ自分の息子を殺したのだから。それもこれ以上ないぐらい残酷に。いくら息子を疎ましく思っていてもそこまで出来るわけがないと思うけど、これにもからくりがあり、有働が「ナツオ」だったのだ。また驚かされた。少年と思っていたし・・。
お金がらみで息子を邪魔に思っていたさゆりは、犯行を偽装するために、2人殺して、真の目的だった息子殺しは3人目に行った。(う=有働真人)
勝雄はさゆりの犯行を手助けした形になっていた。カナー症候群という特性で、勝雄は記憶力が高く、自分が働いている歯医者のカルテをみて、殺害対象になる人物の名前や住所を記憶していた。
しかし、さゆりも実はある人物に利用されていたのだ。
それは、有働、勝雄ふたりの精神鑑定を行った御前崎という心理学者だった。
御前崎は、自分の娘と孫が少年に惨殺されるも、犯人が未成年であると言うこと、犯行当時心神耗弱だったと言う精神鑑定で、刑法39条により、無罪となっていた。
御前崎はそのときの弁護士、え=衛藤の殺害を果たしたのだ。
さゆりは御前崎に陵辱されることで、昔の記憶をよみがえらせ、残酷な一端を取り戻してしまう。
さゆりにしろ、勝雄にしろ、精神鑑定により罪に問われることはないだろう。
そして、勝雄はお=御前崎の殺害を心に誓うのだった。
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