【本】切り裂きジャックの告白/中山七里

4041104408切り裂きジャックの告白
中山 七里
角川書店 2013-04-27

by G-Tools



内臓をまるごと持ち去られると言う猟奇殺人遺体が発見された。
そして、切り裂きジャックを名乗る犯人から、声明文がテレビ局に届けられた。
似たような手口の犯行が続く。
犯人とその動機に迫る。


目を背けたくなるような猟奇事件で、私は小説として好みだけれど、それでもかなりエグいと感じた。
いったい、この犯人は何を考えているんだろうか・・・と、その特殊性に期待して読み進める。。
そんな事件を担当する二人の刑事。
犬養刑事と古手川刑事、この二人の刑事がとても良い。特に古手川刑事が好きになってしまった。
彼は前作に登場済みとのことで、それもぜひとも読みたいと思っています。楽しみ~。

事件に関しては、猟奇殺人の被害者に、ある共通点があることが分かり、そこから少し平凡になった感じがした。
ラストは冒頭の事件の奇抜さから見たら、あまりにも平凡な「真実」だと思う。すこし肩透かしを食らった気がした。
でも、やっぱり古手川刑事が良かったので、読んでよかったと思えた。

以下、内容に触れます。










本書は「臓器移植」に対して、鋭く切り込んでいる。
鋭いのかどうか本とは良く分からないけど、素人目には、バランスよく多方面から問題提起していて、考えさせられる内容だった。
ドナーの脳死問題、法律のあり方、患者や遺族やコーディネーターの気持ち、レシピエントのその後の生き方など。どこまで人間の「医療」として踏み込み、どこから「神の領域」になるのか。
でも、いったん知ってしまったら、知らないときに戻ることは出来ないし、患者側の気持ちとすれば、どんなことをしても、そして、たとえどんな後遺症があろうと、「生きて」欲しいと思うものだろう。

結末として、犯人の動機などは、先にも書いたけど「普通のミステリー」になってしまって残念。
だいたい、死体の状態から見て、メス捌きが特上級の医療関係者だということは分かるんだから。
その結末じゃ、意外性がないでしょ~。ちょっとしたどんでん返しがあったけど、それも含めて少々物足りない種明かしであった。。。。

ただ、自分の息子がドナーとなった母の「その後」の物語はホロリとさせられた。





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