アラミスと呼ばれた女/宇江佐真理

4267017360アラミスと呼ばれた女
宇江佐 真理
潮出版社 2005-12

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お久しぶりの宇佐真理さん。
今回の主人公は、幕末に通詞(通訳)として、歴史の陰で活躍した実在の人物を描く!…と、一瞬思ってしまった。実際にはどこにも正式には記録が残ってないらしいけれど、ほんとうにいたのかもしれませんね、こう言う人。

肥前長崎、鎖国政策の布かれている日本で、ただひとつ世界に開かれた窓出島。主人公お柳は、その出島で通詞をしている男平兵衛の娘だった。少しずつ学んだフランス語の腕前は誰にも引けをとらなかった。
父親が攘夷派に殺されてしまったあと、芸者に身を落として母との生活を支えるお柳だったが、海外視察から戻ってきた榎本武揚(釜次郎)の口添えで、榎本お抱えの通詞となる。男のなりをして…。

+++感想+++

すごい人生ですね。お柳。怒涛のような人生に釣り込まれ、目が離せませんでした。戊辰戦争の真っ只中に通詞として飛び込む、あまりにも派手で濃厚な時間をすごしたために、その後の生活が地味すぎに感じたのでは。
がくーっとお柳も老け込んでしまったのではないでしょうか。
それを支えたのは娘のお勝の存在。
お勝がいなかったら、抜け殻のようになったに違いないと思うのだけど。
戊辰戦争のあとは、お勝がいたからこそ色鮮やかな生活が出来たのですね。
そして、やがてはお勝も手元を離れて…。
その母親としての責任を全うした気持ち、そして、えもいわれぬ寂しさ、虚しさのような気持ちが手にとるように感じられ、胸が詰まってしまった。
特に最後の榎本との別れの場面は…。泣けました。

しかしそれにしても、榎本武揚!ええ男でしたね!
妻がいながらお柳と関係を結ぶと言うのは、わたしのツボからは外れていてかなり惜しいが、男としてカッコよかった。
戊辰戦争のあと、長い拘置生活を経て、請われて新政府軍に入った榎本。一見「二君にまみえた」ように見えるけれど、実は本当に日本のことを考えていると言うことが、本書から伝わり榎本の男気を感じた。
この本で、榎本武揚にすごく興味が湧きましたがおりしも「小説現代」では北原亜以子さんが「密約」と言う小説を連載されているのだけど、これがこの榎本武揚の物語のようです。
チラッと読んだ部分では、榎本が留学中に触れた西洋の文明に驚くシーンがあり、面白そうです。本になったら読んでみたいです。

らむちゃんにお借りしました。ありがとうございましたお
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22:36 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(2)
榎本武揚って、名前知っているくらいの歴史上の人物でしたが、これで、にわかに身近になりました。会ってみたいくらいな人ですよね。あの時代に、北海道で酪農って発想がすごく新鮮で、こういう人が現代にいたら、日本も変わるかなあって気がします。

2006/05/01(月) 07:23:31 | くまま │ URL | [編集]

ほんとうに、そうでした。
アラミスと呼ばれた柳さんもよかったけど、わたし個人的には榎本の御前のほうが気に入りました♪
北原さんの連載中のヤツも、榎本武揚が、西洋の文明に触れて日本と西洋との力の差を愕然とした思いで眺めてるっシーンがあり面白いですよ。出版されたらチェックしてみますね。
それにしても、たけあき で変換しても出てこないのです。で、「えのもとたけあげ」って入力します。すると榎本武揚、と、一発変換(笑)

2006/05/01(月) 12:56:54 | short │ URL | [編集]

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