【本】美しい家/新野剛志

4062181800美しい家
新野 剛志
講談社 2013-02-06

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作家の中谷が出会った女、亜樹は、子供のころスパイ養成学校にいたと言う。
中谷と編集の小島が調べていくと、それは過去に世間を騒がせた、とある「集団」に行き着いた。
やはり「集団」で育った友幸は、「教授」と一緒に、「黄金の里」に行きたいと願って、当時の集団のメンバーを探して歩く。
はたして「スパイ養成学校」とは?「黄金の国」とは?



スパイ養成学校なるものが、本当にあったんだろうか、と、とてもミステリアスで一気に物語りに釣り込まれた。
作家の中谷が拾った亜樹が、すごく癇性な感じ(笑い方からして)それもなんとなくミステリアスな雰囲気で、仏壇の写真の段では、思わず背筋が寒くなった。
また中谷自身の過去、姉が巻き込まれた事件のことや、中谷の家庭事情、娘とその友達とのやりとりなどが挟まれて、それもまた興味がわいた。
いろんなことがてんこ盛り状態で書かれているのに、散漫にならず、どこをとっても、それぞれが面白く感じた。
ある点までは・・・。

以下ネタばれです。











中谷がまさか、あのような結末になるとは、本当にびっくりした。まさか!!だった。そういう点では確かに、意表をつく展開だったと言えるだろうけれど、個人的にはガッカリしてしまった。とても残念で、脱力感が強かった。
どうして、そんな運命をこの作家に与えたのか。せっかく、作家として再び小説を書く意欲がわいてきたというのに・・・。小島の喜びようにも胸が温かくなる感じがしたのに・・・。
思えばそれが死亡フラグだったと言うことか。
だいたい、自分の姉も事件で行方不明、おそらく死んでいると。姉と事件当夜一緒にいた友達も、事件で死亡。事件で死ぬ人間ばかりで、偶然にも程があるだろうと思った。
「スパイ養成学校」の実態も、分かってみれば案外平凡で(実際に巻き込まれたら平凡なんて言っていられないが)な~~んだ・・・みたいな、期待したほどの衝撃的な真相じゃなかった。まぁ、本当にスパイ養成学校があったとなると、小説の趣が違ってしまうわね(^_^;)SFっぽくなってしまうからね。こちらのほうがリアルと言えばリアルなのかもしれないけれど・・。
中谷の娘などは、中谷の死後、何をどう感じたんだろう。何も触れられてなかったけれど、気になった。
ともかく、中谷が死んでからは、イマイチ物語に魅力を感じず、「スパイ養成学校」で起きた殺人事件の真相が、どうでも良くなってしまった(^_^;)


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