【本】慟哭の家/江上剛

4591132358慟哭の家 (一般書)
江上 剛
ポプラ社 2013-02-14

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たぶん、初めて読む作家さん。お名前はもちろん知っていたけど。。。

かなりセンセーショナルな作品だと思う。大きな問題提起を示し、読み応えがある作品だった。
でも、小説、エンターテイメントとしては、私個人的にはイマイチだった。
はっきり言って申し訳ないけど小説として面白くないのだ。
でも、それでも、内容として誰もが読むべきと感じさせられる重さがあり、頑張って最後まで読んだ。

男は、自分の妻子を殺害する。
自分も一緒に死ぬつもりだったが死に切れず、心中未遂事件となった。
息子はダウン症だったのだ。
妻も夫も将来を悲観し、また、子どもの世話にかかりきりになる生活に疲れ果てての犯行で、一見、同情の余地がある事件のようだ。実際、夫も罪を認め、死刑にしてくれの一点張り。弁護士も要らないという。
しかし、絶対に弁護士はつける必要がある。
そこで国選で弁護に当たることになった、新米弁護士の駿斗。
駿斗の目を通して、ダウン症の子どもを持つ家庭を取り巻く社会や、人々の心のありかたを問うていく。

男が殺した自分の息子はダウン症だ。でも、だからと言って殺して良いわけがない。
知能が低いから、生きる喜びを持たないから、だから殺してもいいと言う男の言い分は、どう考えても身勝手なものなのだけど、いざ自分がその立場に立ったとき、男のような選択をしないでいられるのか??という問いかけがある。
さらに、社会はどう感じているのか。ダウン症の子どもは生まれないほうがいいのか。(出生前診断によって異常が見つかった胎児は中絶されることが多く、ダウン症児の子どもは減っていると言うのだ)
生まれないほうがいい命、
生きる意味のない命
死んだほうがいい命
そんな命があるのか、と言う問いかけ。
社会的に役に立たないなら(生産性がないなら)生きている意味がないのか、生きる喜びがないのか、殺されても仕方がなかったのか、殺すことが愛情だったのか・・・延々と繰り返して問いかける。

やがて物語りは裁判に辿り着く。
裁判官が出した判決は・・・。

実際にダウン症児の会などに取材をされたようで、ダウン症児を持つ家庭の気持ちなど、真摯にリアルに描かれていたと思う。ぜひとも広く読まれることを願う1冊です。
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