【本】手のひらの砂漠/唯川恵

4087715086手のひらの砂漠
唯川 恵
集英社 2013-04-05

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これは・・・・かなりショッキングで恐ろしい小説だった。
DV夫から逃れようとする妻の物語なんだけど、ものすごくリアリティというか、説得力のある内容で、とてもフィクションとは思えない迫力があった!
仰々しい「小説らしい」出来事はそんなに起きるわけじゃなく、割と展開としては「地味」なのかもしれない。もっともっとサスペンスフルな設定にも出来ただろう。
でも、あえて「地味」な設定であるからこそ、その恐ろしさがリアルに迫ってきたと思う。

夫から身をかくし、女ばかりの施設でひっそりと暮らすさまは、角田さんの「八日目の蝉」を思い出させた。
しかし、100%共感するには、少なからず複雑な立場の「八日目の蝉」の主人公に比べ(比べることもないとは思うけど)こちらは、100%同情してしまった。
被害女性に対して惜しみなく手を差し伸べる人たち、同じ境遇ゆえに心を寄せ合うもの同士、その中で異端児もいれば・・という、登場人物同士のつながりも良かった。
しかし、夫の執念深さはとどまるところを知らない。
DV夫と言うのは、とても周到で姑息で・・・そしてとっても執念深い。その心理を思うと、ほとんどホラーだ。
どうしたら逃れられるのか??
本を読みながらドキドキハラハラさせられた。
巻末の参考資料を見てみると、これは決して丸きりの作り事ではないと言うことが、分かる。
こういう男は必ず存在して、こんな風に虐げられ辛い思いをしながらも、自分が悪いのだと思いこまされている女性が、たくさんいるんだと確信させられる。
法律は必ずしも守ってくれないという。
じゃあ被害者はどうやって身を守ればいいんだろう??
暗澹としてしまった。

小説らしいラストが待っているのだけど、それは賛否両論があるだろう。
でもどうすることが一番なのか。答えがあるのだろうか。
主人公の今後に思いをはせて、どうか幸せになってほしいと願わずにいられなかった。





正直言って今まで唯川さんを見損なっていたのかなと反省してしまった(^_^;)。
何作品も読んできたけど、ここまでハマった物語は初めて。。。なんて、ナニサマ的発言で大変失礼だけど、今後はチェックして、追いかけようと思った。期待しています。
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17:31 : [本・タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(0)

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