【本】ハピネス/桐野夏生

4334928692ハピネス
桐野 夏生
光文社 2013-02-07

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都会のおしゃれなマンションで3歳の娘と二人で暮らしている有紗。毎日子どもたちを通じて集まっているママ友5人グループの一人だ。何かにつけ自信がない有紗は、他のママ友とちがい、同じマンションでも賃貸住まい。だけど、自信欠如の原因はそれだけではなく、決して知られたくない秘密があったからだった。

小説としては、とても面白かった。
世の中にはいろんな人生があり、その人生にもいろんな分かれ道があり、どの道を選ぶかでまた違う人生になるんだろうなぁ・・などと思いながら読んだ。すべては「他人事」である。小説なんてどれもそうなのだけど、特にこの小説は「他人事」感が強かった。
最初はこの有紗と言う主人公の性格にいらいらしてしまう。でも、読むうちにその態度の理由が分かってきてなんとなく納得。よくよくこの主人公の過去を知ってみると、なんという哀れな人なんだろうと思えてきた。
しかし、この有紗は決定的な間違いを犯している。(後述)それだけが理由ではないが、自立心がないことからも、好感と言うものがまったく持てない。それどころかママ友の(パパたちも)誰にも好感が持てない。
有沙が仲良くしている美雨ママにしても、こういうタイプも苦手。そもそもこの○○ママと言う呼び方からして好かん!!
個人的に、彼女たちとはあまりにも環境が違うので、共感できる部分がない。有沙の「秘密」にしろ、美雨ママの「秘密」にしろ、個人的にはありえないとしか思えない。
しかし、他人事だからこそ「面白い」と思いながら読むことも出来たのかもしれない。

以下、どうしてもネタばれになるので、これから読む人はご注意ください。



















有沙の犯した間違い、それは「過去がある」と言うことではなくて、それを「黙っていた」ことだ。過去があると言うのと過去を黙っていると言うのは全然違う。もしも私が有沙の夫であれば、間違いなく腹も立つし信用できないと思うし離婚だって考えるかもしれない。私の息子の妻がもしもこんな過去を黙って結婚したのなら「息子はだまされた」と思うに違いない。失敗したことで臆病になった気持ちは分かる。でも、これは隠しておくべきことではない・・・・・などと思った。そこだけはなんだかリアルに腹が立ってしまった(^_^;)。
わが子が離婚する、そのために孫には二度と会えないかもしれないと思って泣く、夫の両親が私には不憫で仕方がなかった。(夫の父親だけが好感の持てる人物であった。)
もとは自分のせいなのに最後までそれを認めず夫のせいにしていた主人公には、最後まで反感を覚えた。夫も「どっちもどっち」なのだけど、それを「ドロー」と言う感覚がまた嫌い。

と、徹底的に登場人物が好きになれなかったけど、小説としては一揆読みの面白さがあった。ドラマになるんじゃないの??綺麗なママ友たちなんて絵面がよさそうだしスポンサーもつきそうだ。


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