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【本】月と雷/角田光代

4120043991月と雷
角田 光代
中央公論新社 2012-07-09

by G-Tools


今年は結構角田さんの本をたくさん読ませていただいたなぁ。
「曽根崎心中」「ひそやかな花園」「紙の月」「かなたの子」そして本作「月と雷」なんと5冊も。
あと短編を借りたけど、結局読まずに返した本が一冊。どうしても短編集は苦手です(^^;
今まで、イマイチそこまで好きになれなかった作家だけど、私の中では「紙の月」「ひそやかな花園」「対岸の彼女」が角田作品のベスト3というところでしょうか。(コンプリートしてないんだけど)

そんな中において、最新作品のこの「月と雷」はかなりインパクトが弱いというか、パンチに欠けるというか。読んでいて巻き込まれるような感じはなかった。原点回帰というコメントがあるけれど、なんとなくわかる。「地上八階の海」とか「プラナリア」を読んだ時の気だるさというか、モヤモヤ感みたいなのがあったかもしれない。
でも、読み終えて日にちが経っても割と物語のイメージは残っている。そんな小説だった。

智という青年は、恋人と長く続かない上に、振られる時に「普通の生活ができないところが怖い」と言われてしまう。その原因を探ってみると、自分の生きて越し方に原因があったと思う。
覚の今までの人生とは・・・。
というところから始まる物語。
とてもイライラする。智のような男じゃ、私も嫌だしまた娘の彼氏や夫になられても困ると思う。
普通のことを普通にできない、その原因は母親直子と根無し草のように流れ流れてその場しのぎの生活を続けてきたことによって、「普通」ではない人格が出来上がってしまった・・というのが、読んでいるうちにわかってきて、イライラがちょっと収まってきた。
その親子が、家に来た時から自分の生活は「普通」じゃなくなってしまったと思う泰子。
やっぱりどこか「普通」とは違う考え方や感じ方を抱えている。
これから「普通」の幸せを手に入れようとした矢先に、またもや、智の登場で困ったことになってしまう。
泰子の行動もどこか不安定で、これまたハラハラというよりもイライラさせられる。
こういうふうに読者に、いや~~な感じを与えるのが、著者はお手の物だ。
なんだか腹が立ったり、ムカついたりもしながら、結局ふたりを最後には応援する気持ちにさせられてしまった。
普通、普通・・・普通であることがそんなに大事なの?という意見もあると思うけれど、私はこの本を読んで「うん、普通って大事だ」と思った。
普通に朝起きる。
普通に朝ごはんを作って食べる。
普通に洗濯や掃除など家事をする。
ある程度はサボったり散らかしたりもしながら、家のなかを快適に保つ。
晩御飯はお菓子やファストフードじゃなく(たまにはいいかも知れないけど)ちゃんとご飯を料理する。
仕事をする。家に帰る。
休みの日にはゴロゴロしたり家族でレジャーに行ったりする。
ごくごく普通の人生。
平凡極まるかもしれない。
でも、それが大事なんだ。
泰子との出会いによって、今まで漠然と普通じゃないことに慣れ親しんできた智が、少しづつでも普通の生活をできるようになったらいいと思う。ラストにはその片鱗が見えてほっとした。
主人公ふたりは、これからその平凡だけど普通の幸せを是非とも手に入れて欲しいと思ってしまった。
そんな風に思えたこの作品、インパクトは弱いと感じたけど、私にはやっぱり「地上八階の海」や「プラナリア」よりも読後感が良い作品だった。
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