25時のイヴたち/明野照葉

440853489725時のイヴたち
明野 照葉
実業之日本社 2006-03

by G-Tools


決して読後感が良い本ではない。
人間の(女の)心の暗部を描いてあるといえば良いかと。


+++あらすじ+++

飯野真梨枝、専業主婦39歳。
堀川理沙、仲間と広告代理店のような会社を経営してる37歳。
なんの問題もなく、一見幸せそうに見える二人は、それぞれ悩みを抱えていた。
片方は「不感症」もう片方は「味覚障害」。
そんな、何の接点も持たない二人が、とあるアングラサイトに出入りし始めたのをきっかけに、急接近して、そして、二人は実際に会うようになるのだけど…。

+++感想+++

物語は、アングラサイトにはまった二人の女の視点で進められていく。
特に、大きな事件や殺人が起きるわけでもないんだけども、「なんとなくミステリー」という感じです。

どっちかというと山本甲士さんの「とげ」「かび」「どろ」みたいな分野でしょうか。でも、山本さんの作品がどこか、爽快感があるのに対して、こっちは爽快感なんて全然ありません。かといって先日読んだ「砂漠の薔薇」みたいな忌まわしさが付きまとうわけでもない。

都合よすぎる展開にちょっと白けさせられたのと、サイトへの書き込みや受け応えの描写が長くて飽きたのとを除けば、結構面白かった。主人公たちへの感情移入とか、同情とかは全然感じられなくて、好感すら持てなかったんだけど、それでもなんかグイグイ読めた。
ということで、わたしはこの手の作品は、「どちらかといえば」好きです。

とりあえず「爽快、という言葉の対極にあるような読後感」とでも…。
Amazonさんの「インターネット社会の闇をえぐる、驚愕の書き下ろしサスペンス」ってのは、ちょっと大げさだよねぇ…。

ちょっとネタばれ↓

忌まわしさが残らないのは、「あんたら自分たちが悪いんじゃん」って、読者が思えるからかな。
やってることがね、みみっちくっていやらしいんですよねー。
そんなことやってるから、そんな目に合うんですよ。
天網恢恢ですよ!

いやがらせのなかのひとつに、パソの変換の優先順位をいじる、と言うのがあるんだけど、彼女は、同僚のパソをイタズラして「文節変換」よりも「文字変換」を優先するように設定を変えたのだ。
自分のPCで文字入力したとき、変な変換が出たら気味が悪いしイラついてしまうから気持ちは分かるけど…。やることが、いやらしくってみみっちいのよ。くどいけど。そんな彼女たちにとても、好感は持てませんでした。
なんで、ある意味ラストは小気味がよいといえば言えるのかな・・・。
でも、小気味がいいとも思えない、なんちゅうか、いやらし~~~い読後感でした。語彙力がなくってスミマセン^^;

P.S.
うちのPCもおばかで「おにいさん」は「小仁井さん」だし「おとうさん」は「尾登さん」だよ。これも、夜中に誰かが嫌がらせしてるのかしら、とか、思ってしまった。
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15:01 : [本・タイトル]な行トラックバック(1)  コメント(6)
こんにちはshortさん。
私もいけそうですな!
早速予約します。
明野 照葉さんは未読…今手元に「痛いひと」って本があるんだけど
現在「術死」の真相を探っている最中なので(笑)終わったら…です。

2006/04/17(月) 16:10:21 | ユミ │ URL | [編集]

ユミさん、おはよー♪早速の反応ありがと~~。ユミさんにオススメに行くつもりでした!!(笑)
「激流」よりは面白いよ、多分。読後感は悪いけど、後味は悪くないって感じかな!(笑)
わたしとしては70点ぐらいの感じかな~~。←何様!!
「痛いひと」・・・タイトルからして惹かれますなぁ。感想楽しみにしてます♪
術死の真相、そっちもまた語らいましょう♪

2006/04/18(火) 06:42:41 | short │ URL | [編集]

TBできませんでした(;O;)。
面白かったです。
明野さんは要チェックですな!
わが市の図書館も民間委託され祭日も開館するようになったので(ってこれ普通?)
残りの5連休もなんとか乗り切れそうです。

2006/05/01(月) 22:51:02 | ユミ │ URL | [編集]

民間委託はいいですねー。
でも祭日はその前から開館してたかな?
んー。昔のことは忘れてしまった(笑)
こういう、ドロドロ系の発掘にいそしみましょ~~(爆)

2006/05/02(火) 17:23:47 | short │ URL | [編集]

shortさん、はじめまして。
リンクをたどってうかがいました。
同じ本の記事をトラックバックさせていただきます。
私は“自業自得”という言葉しか浮かびませんでしたが、
“天網恢恢”そう、その言葉がありました!。
こうしていろんな人のブログを読ませていただいていると、
自分では気がつけない発見がありますね。
コメントやトラバ返しなどいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。

2006/06/01(木) 15:06:47 | 藍色 │ URL | [編集]

いらっしゃいませ♪コメントとTBありがとうございました。
これ、わたしも初明野作品でしたが、作品の放つドロドロしたオーラが非常に好きです(笑)
「天網恢恢」は、常日頃良く使っててぱっと思いついたんですが
書いてしまってから
「ああ、自業自得と書けばよかったのに!!」
と思ったものでしたよ。そちらのほうがしっくり来ると思いますよ。
でも、人の感想を読むと本当に視点の違いや鋭さに
驚かされますね。同感です^^
わたしも藍色さんのブログにお邪魔いたします♪
ありがとうございました!
またよければ、覗いて下さいませ~^^

2006/06/01(木) 17:03:12 | short │ URL | [編集]

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装幀は鈴木正道。2000年、「輪(RINKAI)廻」で第7回松本清張賞を受賞単行本デビュー。「憑流(hyoryu)」「闇の音」「女神(venys)」「海鳴」「感染夢」「汝の名」「ひとごろし」

2006/06/01(木) 15:12:32 | 粋な提案