【本】クローバー・レイン /大崎梢

4591129667クローバー・レイン (一般書)
大崎梢
ポプラ社 2012-06-07

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とっても面白かった~~!!(*^_^*)

大手出版社で編集として勤めて7年、工藤彰彦はとある作家に、原稿の「ボツ」を伝えている。
作家が小説を作り上げるのはとても困難なことだと思わされる。
双方にも読者にも気が滅入るこの冒頭シーンだけれど、対応する(ボツを言い渡す)主人公の誠実さが伝わって、のっけから釣り込まれてしまう。
そんな主人公が一目で心を鷲掴みにされたのは、落ち目で過去の作家、家永の「シロツメクサの頃」と言う小説だった。彰彦はこの小説の読者第一号になった。そして、自社から出版したいと強く思う。
ところが、彰彦の一途な思いと裏腹に、出版は困難を極めるのだ。
サスペンスやミステリーでもないのに、先が急がされて仕方がない。どうなるのか、本になるのかならないのか・・・結末は予想できるものの、ひたむきな彰彦に共感して、祈るような気持ちで一気に読まされてしまった。
ひとつの小説が本になるまでの段階が、リアルに描かれていて、本が一冊出るのに大変な労力があるのだなぁと改めて実感させられるし、出版社の裏事情がわかってとても興味深い。
本と言うのは、出版するのが最終目的ではない・・というのも、改めて実感した。
他社の編集との駆け引きや攻防、社内でも部署が違うと(編集部と営業部など)仕事が全然違ったりなど、そういう、本造りに関するあれやこれや面白く読んだ。(東野圭吾さんの「歪笑小説」を思い出したりもした!!)
家永をはじめ各作家たち、編集の国木戸や営業部の若王子など、脇役たちも魅力的だ。
大御所作家の芝山などは、作中エッセイがとても感動的だった。
冒頭で釣り込まれてからも、随所に本好きならではのシーンがあって、その点でも楽しく読める。
(オールといえば、オールナイト・・とか(笑)。本屋大賞らしきものが出来るまでの過程とか)
そして本書は、本が出来上がるまでの過程を描いてあるだけではなく、作家家永とギクシャクしている娘との物語があり、もうひとつの軸になっている。
本を出すまでのネックのひとつを彼女が握っているのだ。
二重三重にも本の出版は困難だけれど、彰彦の熱い思いが、やがては人を動かし、状況を変え、人の心も動かす。「出版」と言うひとつの目的に向かって、人の気持ちが寄り添うさまは、爽快で感動的だった。
家永親子に物語があるように、彰彦の家庭にもひとつのドラマがあって、その点でも大いに感動した。
最後は泣いた。素敵な物語だった。おススメ!










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21:47 : [本・タイトル]か行トラックバック(1)  コメント(2)
shortさん、こんにちは。
あはは、最初チラっと見た時に大崎善生さんと間違った。
この方の本は『聖の青春』しかピンとこなかったから^^;
でも違う人なんだ。全然読んだことないわ~
(また無知を露呈してしまったよ、とほほ。。。)
早速図書館に予約しました。5番だって。比較的早く回ってきそうよ。
いつもありがとう。

今、『毒婦。』読んでます。
サクサクいけますね~^^

2012/09/27(木) 11:11:09 | こみっくま │ URL | [編集]

えっと、こみっくまちゃん!!ヽ(^。^)ノコメントありがとう~~♪
同じ大崎さんだもんね~!
私もはじめて読んだんだけど、著者紹介で「配達あかずきん」っていう著作は見たことあるわ~と思いました。
本屋さんの話か、なんかそういう系が多いみたい。
この本も、出版社シリーズの2作品目らしいですよ。
私も無知さ~~ヽ(^。^)ノ
うんうん、読んで読んで!きっと気に入ってくれると思うよ♪

「毒婦」・・ほんとうによく分からん事件だよね~~(^_^;)

2012/09/27(木) 19:38:49 | short │ URL | [編集]

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