【本】ラバーソウル/井上夢人

4062177137ラバー・ソウル
井上 夢人
講談社 2012-06-02

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内容(「BOOK」データベースより)
洋楽専門誌にビートルズの評論を書くことだけが、社会との繋がりだった鈴木誠。女性など無縁だった男が、美しいモデルに心を奪われた。偶然の積み重なりは、鈴木の車の助手席に、美縞絵里を座らせる。

これから読む人は、なるべく、余計な情報を仕入れずに読まれることをおススメします。
これから書く私の感想は、ネタバレになります。
くれぐれもご注意ください。






























主人公は鈴木誠という、いわば「異形」の青年だ。病気によって顔かたちが変わったらしく、一目見た相手は固まってしまうほど。自分を「メドゥーサ」と自嘲する。声帯や舌にも以上があるらしく、喋り声も相手に不快感を与えずにおれないという。
何の病気か書かれてないけれど、このあたりで非常に不快になる。
それはたぶん、鈴木誠を「差別」「嫌悪」する以外の選択肢が読者に無いからだろう。
物語は、モデルの絵里と出会い、一方的に愛してしまいストーカーとなった挙句、絵里の周囲の男たちを惨殺していく、それを独白や供述調書のような形で、本人鈴木誠、モデルの絵里、鈴木のお抱え運転手の金山、モデル事務所の人間や、鈴木誠が寄稿していた音楽雑誌の編集長などの視点で描くのだ。
鈴木誠自身の独白や供述(では無いのだけど)だから、犯行は疑いようも無く、見た目も悪いそうだけど内面も悪いこの男に、結局はとても嫌悪感が沸いてしまう。

それと、すべてはすでに起きた話に対する回想らしいのだけど、核心に迫るまでが長いので、中盤かなりだれてしまった。

そしてラスト。
意外な結末がまっている。
見事に騙されたのだけれど、なぜか爽快感が無い。
たしかに、「やられた!」と思うのだけど、その結末はあまりにも切ない。そして、ずっと、書かれていることをただ信じた自分にも、なんだかガッカリしてしまうのだ。切なくて、申し訳ない気分になった。だから、爽快でもないし、良かったとも思えない。
やるせない・・・・そんな言葉がぴったりなのじゃないかな。
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2012/10/10(水) 05:58:57 | - │ | [編集]

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