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【本】木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか/増田俊也

410330071X木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
増田 俊也
新潮社 2011-09-30

by G-Tools


第43回大宅壮一ノンフィクション賞、第11回新潮ドキュメント賞のダブル受賞作品で、いまさら私が説明の余地はないと思うので、丁寧な紹介は割愛させていただきます。


私は格闘技にも柔道にも疎いので、こういう人物がいたということはもちろんのこと、力道山は名前こそ知ってはいたけれど、木村政彦との一戦が「昭和の巌流島」と呼ばれた大一番で世間をにぎわしたことも知らなかった。
しかしそんな私が読んでも、とても胸打たれる面白い評伝だった。
ともかく、昭和を生きた格闘家たちの生き様にしびれた。


著者は、件の一戦で力道山にだまし討ちのようにコテンパンにやられた木村政彦の名誉を回復すべく、木村政彦が死んだ平成5年(1993年)からまさに18年を費やして取材を重ね、「あのとき木村政彦が最初から真剣勝負のつもりでリングに上がっていれば、間違いなく伝説の決め技『キムラロック』で勝っていた」と断言する。
その後、不遇のなかで再戦を熱望しても受け入れられず、失意のうちにただあの一戦を後悔しながら生きた木村政彦。タイトルのように木村政彦は力道山を殺して自分も切腹すべきだったのか?
怒りと悲しみを抱いて後半生を生きたサムライ木村政彦の生涯が、綿密な取材を元に描かれる。
それとともに、柔道、柔術の歴史も詳しく書かれていてその点からも興味深い。
ここに描かれる戦前の柔道は、今テレビで見るスポーツの柔道とはぜんぜん違う。
敗戦国日本は、武道さえもGHQに禁じられてしまったので、生き残るために、「柔道は無道ではなくスポーツだ」と主張したらしい。そのため、柔道は武道からスポーツへと変化して行ったようだ。
この本を読んでいると、全盛期の木村政彦の柔道を見てみたい!と思えてならない。
岩のように動かなかったという。生えている木を相手に打ち込みをやって、しまいにはその木のほうが枯れてしまったというが、そうして鍛え上げられた揺るがぬ堅い足腰。そして、竹を相手に打ち込みをやり身に着けた柔軟性。一日10時間に及ぶ練習量。負けたら切腹する覚悟でいつも闘っていた。
全日本選手権13連勝。15年間無敗。
木村の前に木村なく、木村の後に木村なし。
誰に聞いても「木村先生よりも強い柔道家はいない」と言うらしい。
戦争がなければもっと連覇を重ねたことだろう。
戦争がなければ、プロの格闘家になることもなく、柔道一直線だったかもしれないし、プロレスなんかに行かずに力道山とも人生を交錯させることなく生きたかもしれない。
戦前の輝かしい戦歴と、戦後、力道山との対決以降の人生の落差がありすぎで見ていて悲しい。
力道山との一戦は本書のクライマックスであり、メインテーマであるが、しかし私はそれより前に木村政彦がブラジルでエリオグレイシーと交えた一戦のほうが印象深く感じた。
木村政彦の死後ではあるけれど、グレイシー一族によって木村政彦の名誉は挽回されたように感じる。
こうして、本書がベストセラーになったことも、木村政彦の名誉回復につながっただろう。
日本が誇る柔道家だった木村政彦。
綿密な取材によって熟考された木村評伝は、冷静で公正でありながら木村へのリスペクトが根底にあり、とても人間味にあふれた読み応えがある一冊になっていた。
本の冒頭で「木村政彦は力道山を殺すべきだったのか。殺して自害するべきだったのか」という問いかけがなされる。「それは私自身にも、本書を書き終えるまで分からない」と。
その答えは、ラスト、木村自身の言葉で結論付けられる。
感涙でありました。


ただね・・・・・ともかく、読んでみて心の底から沸きあがる気持ちは
「どうして力道山と本気で戦わなかったんだ!!」
という一言。
力道山と本気で戦って(相手が「ブック破り」をしてきたのなら、そこで本気モードに切り替えて)勝って欲しかった。。。。しかし、それを私のような立場の人間が言うことではないのかもしれない。


今度テレビで総合格闘技の放送があったらぜひとも見てみようと思う。
だれかが、キムラロックを使うところを見たいな。。



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14:51 : [本・タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(2)
おお、熱いっすねぇ。
私はね、木村本人の話より 講道館のやり方に 目がいって しまいましたわ。今のように柔術が 柔道になり下がり、弱体化したのも、結局は 講道館のやり方ですよね。って門外漢が何をいってるザンショ。オホホホ

2012/09/11(火) 10:29:28 | 紅子 │ URL | [編集]

紅子さん コメントありがとうございますヽ(^。^)ノ
そうそう、講道館。歴史を捻じ曲げて(?)ひとり勝ち。
そこのところも感じるところありましたけどね。。
まぁ・・正直言ってオリンピック見てても柔道盛り上がりませんよね。
勝てば盛り上がるけど、試合そのものはつまらない・・・・
言いすぎですか(^_^;)

2012/09/12(水) 10:09:56 | short │ URL | [編集]

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