【本】ポイズン・ママ―母・小川真由美との40年戦争/小川 雅代

4163748407ポイズン・ママ―母・小川真由美との40年戦争
小川 雅代
文藝春秋 2012-03

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母がしんどい」繋がりで読んだ作品。
タイトルが「ポイズンママ」つまり、毒のお母さん。
最近良く耳にする言葉。毒になる親、毒になる母…。
著者の母親は、ある程度の年齢なら誰もが知っている大女優、小川真由美さんである。
彼女の実態が赤裸々に描かれているのが本書だ。
娘による母親の暴露本??と思う人もいるだろうけど、そうじゃない。
正直、ここまでひどい人格の人間もいるもんだなぁとびっくりして、その壮絶さにはただひたすら、唖然とさせられた。
「母として」どうこうというよりも、それ以前に「人として」これはちょっと…と思うような人格。
娘さんは、「若いうちに杉村春子に気に入られ、苦労する暇もなくトップスターになってしまった」ことを、この性格の一因にしているけど、本当にそうなの?と、首を傾げてしまう。
私なんかは、この小川真由美という人格がどうやって形成されたかが気になってしまい、その生い立ちは?少女時代の性格や友達付き合い、社会性はどうだったのか?女優になってから最初のころに何があったのか?その辺がもっと興味のある部分であり、それはここでは触れられていないのが、残念だった。
しかし、本書の目的は、壊滅的な親に育てられた子どもの苦しみを描いてあるので、その点では、いやというほど伝わってきた。いや、こんなもんじゃないよ、もっともっと辛かったんだよ、と著者は言いたいのじゃないかと思う。
でも、それでも本書を読む限り、あまりの奇天烈さに辟易してしまうほどだったのだ。
彼女の奇行を揚げてみればキリがないんだけど、まずは占いにはまったと言うことだろう。
たとえば「緑と紫禁止令」が出る。家中から緑色と紫色のものを一切残らず駆逐する。そしてそれらを家に持ち込まない。。。でもそんなことが現実的に可能なのだろうか。小川家では、少しでもその2色を見つけたら徹底的にマジックなんかで塗りつぶしたり。。学校で使う絵の具やクレヨンなども緑と紫は捨てられて、描く絵もその2色を使わなかったそうだ。
家の中ではまだ、そんなことは出来うるかもしれないけど、外に出てしまうとそんなことも言っていられない。
でも、この小川真由美はそれをやってしまう。そのさまはわがままを通り越して偏狭というか、偏執というか、奇矯と言うか・・・言葉が見つからない。
自分が信じていて、それを貫きたい。でも周囲には理解できない。紫と緑にどんな意味があるのか。分からない人間にとってはここまで徹底的な排除を要求されることは、大きなストレスだ。読みながら「うざっ…」と声が出てしまった。
占いを信じる究極の姿がこれだと思う。
彼女の奇行や奇習はどれもこれも絶句するようなものばかりだけど、一貫して根底にこの「占い」がある。
それからすごく印象に残ったのは、自分が主演したある映画の試写会に、まだ幼い娘を同席させるのだけど、それが激しい濡れ場を伴う映画だったらしく、娘さんはとてもショックを受けたそう。
そのほかにも、自分が車を出して、娘さんの足を轢いて怪我をさせたのに平気な顔で笑ってたとか、娘さんが飢えて危険な状態になっているのに知らん顔したりとか、自分の留守中に娘さんの見張り役として、得体の知れない男を家にいれ娘さんと二人きりにさせるとか・・・・娘のことを本気で思っていたらできるわけがないことばかりしている母親で、本当に唖然とした。
本書の中にそういうエピソードは枚挙に暇がない。
苦しめられた娘さんが世間にそのことを訴えたい。そして、他にも苦しんでいる「子ども」の助けになれば・・・と言う気持ちで出版された。
娘さんが母親と決別するにいたるまでの過程というのが、読者としては一番知りたいところなのに、肝心なところがあんまり詳しく書かれていない気がしたが、そこも含めての一冊だと思う。
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14:05 : [本・タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(4)
びっくり、びっくりでした。すごく色っぽい女優さん、というイメージしかなかった。お子さんもいらしたのですね。いやあ、ふつうのお母さんが一番ですね。父親は、確か俳優さんでしたっけ?

2012/07/24(火) 18:04:25 | くまま │ URL | [編集]

くままさん、コメントありがとうございます。
驚かれたでしょう。私も同じですよ~。
本としては読みづらく、「惜しい!」作品です。
もうちょっと文章や構成が上手かったらもっと多くの人の共感を得ただろうと思います。
ちょっと暴露本と紙一重になってしまっている気がして・・・・(^_^;)
お父さん、ピンポ~~~ン!細川俊之さんです。(実名出ています)
この人も父親としてはどうかなって言う感じでした。
芸能人だからどうこうという以前に、人間としてそれはイカンでしょ!見たいな話がてんこ盛りです。
普通のお母さんでいいですね・・・ほんとに。

2012/07/27(金) 10:09:55 | short │ URL | [編集]

小川真由美については私もブログで取り上げました。まったくその通りだと思います。

2012/08/17(金) 16:50:53 | 激動の戦後史 │ URL | [編集]

> 小川真由美については私もブログで取り上げました。まったくその通りだと思います。

激動の戦後史さん、いらっしゃいませ。
貴ブログ拝見しました。すごく端的に本書の内容を捉えててお見事でした。
占いを信じるって、究極、こういうことですよね。
恐ろしいです。

2012/08/28(火) 09:54:39 | short │ URL | [編集]

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