【本】贖罪の奏鳴曲/中山七里

贖罪の奏鳴曲
贖罪の奏鳴曲中山 七里

講談社 2011-12-22
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知らない作家さんで、衝動借り(衝動買いでもなく・・・・(^_^;))してしまったんですが、面白かった~!!
ちょっとしたミスリードが利いていて、意表をつく展開だった気がします。
ミスリードと言う言葉がもうすでにネタばれになってるんじゃないかとも思うけど、ネタばれしないように感想を書くのも一苦労で。それを言わないと物語の面白さを表現できないし。
うむ。どうしたものか。
ともかく、騙されたと思って読んでみて、損はないと思いますね~(*^_^*)


【あらすじ】

主人公の御子柴は金儲け主義のやり手弁護士だが、実は過去に大きな秘密を抱えていた。
物語は彼がとある遺体を不法に遺棄しようとしている場面から始まる。
そして、彼の今抱えている案件は国選で、事故で植物状態になった工場経営者を、安楽死させたとする妻の容疑に対する弁護だった。
・御子柴の過去
・冒頭の死体の謎
・工場経営者の死
まず、御子柴が遺棄した死体から、刑事の渡瀬と古手川は御子柴にたどり着く。そして御子柴の過去やその死体とのかかわりなどを調べていくのだった。


【感想】


ここからちょっとネタばれ。未読の方はご注意ください。
この御子柴と言う弁護士、モデルがあると思われる。
過去と職業を考えてすぐに、そのモデルケースを思い浮かべた。
まずこれがひとつのミスリードだった。
物語はあらすじに書いたように3つの柱に沿って進むのだけど、目下の目玉は弁護士御子柴が担当する「工場主の死」に関する裁判だ。これがまず面白い。保険金殺人か、あるいは偶発的な事故なのか。
しかし、読者としては冒頭の御子柴が行った死体遺棄が気になるところ。中盤に語られた御子柴の正体、過去も気になるのだ。それらをそっちのけで裁判が進行していくので、なんだか釈然としないのである。
しかし・・・・裁判で衝撃の事実が明らかになり、次に御子柴の「正体」も明らかになり・・・と、魔法のように(と言うのは言い過ぎかもしれないけれど)鮮やかに何もかもが腑に落ちてしまう。
と同時に、「人を殺した人間はどうやって罪を償うことが出来るのか」という、本書の一番のテーマはタイトルにもある「贖罪」と言うことだったんだと気づかされる。
薬丸さんの「悪党」を読んだときにも思ったけれど、犯した罪は私は消せないと思っている。
特に人の命を奪ってしまった場合、何をしても許されることはなく、何をしても償うことは出来ないと思うのだ。
では、犯人はその後の人生をどう生きたら良いのか・・・。
「悪党」の、ある登場人物のような結論を出す場合もあるんだろうし、(その是非はとても私には言えませんが)この物語のような場合もあるに違いない。
「贖罪」という大きなテーマを扱いながら、軽々しくなることがなく、それでいてエンタメ要素もうまく盛り込めていて、意表をつかれる面白さの物語だった。



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10:56 : [本・タイトル]さ行トラックバック(1)  コメント(0)

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2014/07/15(火) 20:37:47 |