【本】だれかの木琴/井上 荒野

4344021029だれかの木琴
井上 荒野
幻冬舎 2011-12-09

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引っ越した先の町で、初めての美容院に行って、初めての美容師に担当してもらった主婦の小夜子。その夜、美容師の海斗からメールが送られてきた。何気ないただの営業メールだった。
しかし、それをきっかけに…いや、それに対して丁寧に返信したのをきっかけにではなかろうか?小夜子はどんどんと、海斗への執着を深めてゆくのだった。


一気に読んだけど、気色の悪い小説だった。
主人公の主婦が、普通の主婦から異様な主婦へと転身していくのが、徐々に描かれていて、不気味。
一見特殊なように見えて、実は案外「普通にそのへんにある」かも?、自分にもあるんじゃないか?と思わせる居心地の悪さがある。新聞記事やドラマになるような特異性も(さほど)ないが、それが却ってリアルで生々しい。
ストーカーものなら、たとえば、警察沙汰になるとか、刃傷沙汰になるとか…もっとドラマティックに盛り上がる要素を持っていると思う。そして、顛末として「決着」がつき、ストーカーした者は断罪される。時には殺されたり←火サスみたい?
…でも本書は決してそうではない。
要するに、ストーカーものとしては盛り上がりに欠けるのだ。
その分、読後はどういう意味でも爽快感がなく、ひたすらもやもや~~とした感じ、じっとりねっとりした感じが残る。
こういう気分を読者に与えるのが目的なんだろうなと思うと、大成功ですよ…と著者に言いたい。

ちなみに、主人公の名前は「親海小夜子」、およみさよこ…と読む。
私はつい心の中で「小森小夜子」と呼んでしまって、一瞬ぞっとした(^_^;)。
およみさよこ、こもりさよこ・・・語呂が似ているでしょう?
小森小夜子って、美内すずえ先生の「白い影法師」で、机の下から覗いてた、あの怖い小森小夜子さんですよ…(^_^;)
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