【本】クリーピー/前川裕

4334928080日本ミステリー文学大賞新人賞 受賞作 クリーピー
前川 裕
光文社 2012-02-18

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大学で犯罪心理学を教えている教授の高倉は、かつての同級生、野上から唐突に連絡をもらい会うことになった。刑事をしている野上は、ある事件について、高倉の意見がほしいと言う。
その事件とは、8年前に起きた「日野市一家三人行方不明事件」だった。8月のある日曜に、一家のうち両親と兄の3人が忽然と姿を消したのだ。残された当時中学生の娘は部活の合宿に参加していて難を逃れる。が、ここに来てその長女から新たな証言が得られたので、その長女の証言を犯罪心理学者の立場から検討してほしいと言うのだった。
その後日、野上が今度は忽然と姿を消す。そして、彼は意外なところから姿を現したのだった・・・。

8年前に、近所でもないところで起きた一家失踪事件と、現在、主人公の近所で起きた惨劇と、何か関係があるんだろうか?
だけど、なんとなく類似点が多いのは読者にも分かってきて、その接点が、確たるものではないだけに、なんとなくだけど気味が悪いのです。はっきりと正体がつかめず、得体が知れない。自分を不気味にさせているものが何なのかもわからない。その、わけのわからない気味悪さが恐怖心をあおり、ぐいぐいと読んでしまいました。
語り手が「私」と言う一人称なのもなんとなく裏がありそうで。
浮気も・・・?仲の良い女学生は??疑い出したらきりがない。
素直に書かれていることが信用できなくて、何もかも怪しく見えてきて困りました(笑)。
そのうちに事件や人物像の正体が見えてくると、不気味さはなくなって来るけど、今度は別の怖さが・・・。
結末は、やっぱりいかがなものかと思うのですよ。それでいいのかと言いたい。疑問が残る。
でも、それがまた予想外の展開なので、驚かされたと言う点では最後まで楽しめた作品でした。
こりゃ、次回作も追いかけたいです。

余談だけど、北九州一家殺人事件の、松永太を思い出した。
あの事件も良く分からないまま、読み進めていって、その残酷さに震えたから。
なんとなくだけど、思い出してしまったんです・・・・。
怖い怖い。

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