【本】はみだしインディアンのホントにホントの物語/シャーマン アレクシー エレン フォーニー

4092905149はみだしインディアンのホントにホントの物語 (SUPER!YA)
シャーマン アレクシー エレン フォーニー
小学館 2010-01-27

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高野秀行さんがベスト本にあげてらっしゃったので読んだ。
うん、面白かった!

小さなインディアンの保留地に暮らす水頭症でいじめられっこのアーノルド。
あるとき、教師に怪我をさせてしまう。
しかし教師は怒るどころか、かつて自分たちが保留地の生徒に行ってきたことはすべて間違いだったと罪を懺悔する。そして「保留地から離れれば離れるほど『希望』が近づく」と言い、アーノルドに保留地を出て行くことを勧めたのだった。
それがきっかけでアーノルドは保留地の外の高校に転入する。
親友のラウディをはじめ、部族からは裏切り者扱い、新しい高校でもなじめず・・・。
しかし持ち前の明るさと賢さとユーモアとガッツで、だんだんと自分の居場所を見つけていく。
友達も出来、GFも出来、バスケットの選手になって、元の高校との対戦に臨むアーノルド。
しかし、悲しい出来事もあった。
保留地では、人の死があまりにも身近な出来事だったのだ・・・。

「保留地」って言うと前日見た映画の「フローズン・リバー」を思い出す。
実はそれまであんまり意識もしたことがなかった。
インディアンたちはそこに「閉じ込められ」そこで「生きろ」と言われている。
それは逆に言うと「そこで死ね」と言われているのも同然なのだ。
彼らの生活は常に貧困、酒、暴力そして死と隣り合わせだ。
アーノルドは勇気を持って、「そこ」から脱出することを願い、実行する。
こうしてあらすじを書いてみると、とってもシビアで重い物語のように聞こえだろうと思うけど、でも違う。
アーノルドが元気で前向きで明るい性格なので、楽しく読んでしまう。
本当はもっとシビアに受け止めなければならないことが書いてあるんだけど・・・。
とってもユーモラスなのだ。
それでいて、今までほとんど知らなかった、アメリカンインディアンの鬱屈や辛苦が伝わってくる。
時には大好きな人が死んでしまうという悲しい出来事もある。
だけど、それすらもインディアンたちの保留地では、あまりにも「日常」なのだ。
そんな中から漫画を描くのが好きなアーノルドは「希望」を見つめる。
希望と言うことすら、忘れそうな保留地。
だけど、人は希望を持てば保留地からも抜け出せるのだという、まさに希望の物語になっていて、YAだけど大人も読み応え十分。親子で読めるおススメ本。

★★★★☆ 

サイバラさんの『この世でいちばん大事な「カネ」の話』をちょっと思い出した。
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