【本】チェインギャングは忘れない/横関大

4062173727チェインギャングは忘れない
横関 大
講談社 2011-11-23

by G-Tools


【STORY】

あるとき、囚人たちの護送車が襲われ、囚人たちが逃げ出した。
しかし、懲役8年以下の囚人たちばかり。
いったい誰が何のために、護送車襲撃を計画したのか。

同じころ、トラック運転手の早苗は、サービスエリアで若い男を拾う。
男は記憶喪失で自分が誰かも思い出せないという。
その男を乗せて早苗は東京へ戻るはめになった。そしてその成り行きで、お金を貸したり家に上げたり、挙句は一人息子を預けるなど、急速に打ち解けていく。

そしてまた、世間を騒がせている事件があった。クリスマスにネット配信を予告して実行される殺人事件。
犯人は「サンタクロース」と呼ばれている。捜査に当たる警察官たちに、囚人脱走の一報も入り、警察内部はさらにあわただしさを増していた。


【感想】

ありえない~~!!
まず、囚人護送車の襲撃で脱走とか、いかにもドラマ的で現実感がないし、見ず知らずの得体の知れない男を、たやすく信用して、まぁヒッチハイクはひょっとしたらあるかもしれないけど、家に連れてきたりカレーを食べさせたり、ましてや大事な子どもを預けるなんて!!絶対にありえない!!
・・・・と思うんだけど、それがこの物語では「まぁ・・あっても良いかも・・・」と言う気分にさせられる。
それはやっぱり、早苗が「拾った男」、修二のキャラクターのせいだろう。早苗がいとも簡単に信用してしまうように、読者にも魅力的に映る。
刑事が追いかけるうちに明らかになる、修二のキャラはカッコよすぎるほどだ。
夫を亡くして、気を張って息子を育てている女やもめの生活のなかに、ふっと舞い降りた「ロマンス」なのだ。カッコよくて男気の塊みたいな「拾い物」。要するに「夢物語」かもしれない。でも、そんなことがあっても良いんじゃない?と、思ってしまう。
と言うことは、絶対的に修二は信頼できる男であり、もしかして彼が「悪者」であってはならない・・・そう思いたい・・でも、どこか得たいが知れないから、一抹の不安がある・・・そんな感じで結構先を急がされて、ズンズンと読む。
「囚人脱走」「修二の記憶喪失」「サンタクロース殺人」この3つは最初は何のつながりも見当たらない。
それが終盤に近づくと意外にも(それともお約束か・・?)一本の線でつながっていく。
早苗の遠くて淡い初恋も絡め、ラストの着地はあまりにも上手くいきすぎな感じ。
でも、それでもいいじゃないか。クリスマスのプレゼント的な気持ちの良い爽快感のある物語だった。
これも映像化したら面白いんだろうな・・と思った。
でも、小学生がマージャンとか・・・映像化はやめたほうが良いか。(早苗の息子の航平の人物像も、小学3年か4年にしては老成しすぎているし、頭の回転も良すぎる気がして、そこも「ありえない」と思ったかな)

ちなみに、「チェインギャング」って言うのは、アメリカの映画なんかでよく見る、一列に鎖でつながれた囚人たちのことを言うんだそう。鎖でつながれているだけじゃなく、絆があるという言い回しらしいです。

横関さん、「再会」も面白かったけどそんなには印象に残らなかったけど、キャッチーな小説を書く。今後も期待したいです。
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13:31 : [本・タイトル]た行トラックバック(1)  コメント(0)

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小説「チェインギャングは忘れない」を読みました。 著書は 横関 大 逃走劇のサスペンスを軸として 主人公大貫と共にする子ども、その母親、刑事の3つの視点から描かれていて ミステリというよりサスペンスといった感じで 軽く、読みやすいですね 流れとしては、前作...

2012/03/18(日) 16:20:26 | 笑う学生の生活