【本】緑の毒/桐野夏生

4048742353緑の毒
桐野 夏生
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-09-01

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川辺康之は開業医。
しかし、患者よりも自分の都合優先で、温かみのまるでない診察をして、同病院の看護師達にも疎まれていた。
そんな川辺にはある秘密があった。
水曜の夜には、あることをするのだ。
ある事とは・・・。


読んでいて、とんでもなこの川辺の所業に、慄いた。なんという下種なんだろう。人間として最低だ。ましてや医者としてこんな人間がいていいのか。。。。
慄き、呆れ、怒りながらも、こんなとんでもなく悪いやつには、きっととんでもなくひどい報いがあるのではないか・・と、どんな結末が待つのかと思いながら読んだ。
被害にあった人たちも「復讐」ということを考えている。
これは被害者達の、川辺に対する復習劇だろうか・・・・と思ったのだけど、被害者達だけではなく、川辺の妻とその浮気相手、川辺のもと共同経営者の野崎や、その家族などなど、それぞれにドラマが語られる。
その根底には「川辺は邪悪だ」という事があるんだけど、特に「弥生先生」っていうのは一体なんだったの?みたいな、横道に逸れすぎな感じも否めない。
何よりも不満なのは、あれほど期待した川辺に対する鉄槌が、消化不良気味だったこと。
期待しような形ではなかった。
ではどんなものを期待したのか・・と言われたら、それも答えに詰まるけど・・・(^_^;)。
思うに、ページ数が全然足りてない。
それぞれの登場人物にドラマを語らせてもらっても大いに結構、むしろ物語に深みが加わる気がして歓迎するけど、それを収めるためにはそれなりのページ数がいるんじゃないかなーと思う。
今回のこの本、分量不足と感じた。
下種男と言えば、前作「ポリティコン」。あの作品で著者は下種男を描くのに快感を覚えたとかじゃないかな?
で、今回もその流れで、もっとひどい下種な男を描こうとしたんじゃないか、と私は感じた。
少なくとも、この素材がたいへん面白そうだっただけに残念だった。
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13:31 : [本・タイトル]ま行トラックバック(0)  コメント(0)

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