【本】獄に消えた狂気―滋賀・長浜「2園児」刺殺事件/平井美帆

4103308915獄に消えた狂気―滋賀・長浜「2園児」刺殺事件

平井 美帆
新潮社 2011-08

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「精神を病んだ女は法廷で奇声を上げ続け、鉄格子の中に封じ込められた――。

園児の小さな身体を二十数箇所も刺し続けた「中国人妻」。統合失調症に罹患し通常ならば不起訴処分となるはずが、その虚ろな目の前で裁判は強行された――。加速度的に悪化していく症状の中で、女が辿った無期懲役への道程。面会と書簡を重ね垣間見えた、心を覆う漆黒の闇とは? 精神障害者を裁く「司法のタブー」を抉る。(新潮社HP紹介文より)


読み終えて、率直に言うと、結局この事件はなんだったんだろう?と言う印象が残った。
統合失調症という病気の中国人妻が、自分の子どもの同級生(園児)を滅多刺しにして殺してしまった。
問題はどこにあるんだろうか?
本書を読むと、この事件は防げたはずの事件だと感じた。
犯人の鄭永善(てい・えいぜん)は、中国から集団見合いでやってきた。
中国ではエリート中のエリートだったらしい。
いろいろ野心的で夢もあったが、長浜と言う田舎で(長浜のみなさんゴメンなさい)夢破れ、いつしか統合失調症になり、事件を起こすに至る。
この病気はしっかりとした管理が大事なのに、永善の家族はまるで彼女を管理せず、自分たちに都合のいいように投薬をしたりやめたりをくりかえしたらしい。
もっと家族がしっかりと彼女の病気と向き合えば、こんな悲劇は起きなかったのじゃないか・・・つくづく、そう思えてならない。

本としては、なにが言いたいのかあまりよく伝わらない。
事件そのもののせいだと思うけど。
刑法39条によって、犯人が保護される事がおかしいのか?
たとえ、統合失調症によって引き起こされた事件でも、やっぱり犯人は責任を取るべきか?
永善が中国からやってきたから、統合失調症になったのか?
永善が中国人妻だったから事件は起きたのか?

著者がまったく永善と意思の疎通が出来なかったように、読んでいてもこちらに伝わるのは虚脱感のようなものだけ。
怒りをどこに持っていけば良いのかわからないからだ。
被害者家族のようにストレートに永善を憎むのは、本書を読むと、すくなくとも私のような第三者には違うようにも感じる。
だから読んでみて、疲れたし、救いがないというか、どこにも気持ちのやり場がない感じだった。
犯人が中国人であれ日本人であれ、こういった事件は二度と起きないように、なんとかしてもらいたい。
亡くなった二人の園児とそのご家族が気の毒でならない。

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2011/11/07(月) 22:51:04 | - │ | [編集]

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2011/11/07(月) 23:09:29 | - │ | [編集]

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