【本】黄昏に眠る秋/ヨハン テオリン

4150018464黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
ヨハン テオリン Johan Theorin
早川書房 2011-04-08

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スウェーデンのミステリー。

20年前の霧深いある日、忽然と消えてしまった息子のイェンス。
ユリアはずっとその事にとらわれて生きてきて、家族(父親や姉)とも上手く行ってない。
あるとき、離れて暮らす父親から電話があった。
「イェンスがいなくなったときはいていたらしい靴が見つかった」と。
その靴は何ものかが、ユリアの父、イェルロフに送りつけてきたのだった。
それを発端とするかのように、イェルロフの親友が不審な死を遂げた。
20年経て動き出した事件。真相は・・・?


物語は、イェンスの「居場所」を探そうとするユリアの現在と、1940年当時少年だったニルス・カントの生涯をなぞる物語が交互に語られる二部構成。イェンスの行方不明に、このならず者のニルス・カントが関係しているらしいと示唆を含めて進んでいく。
20年も前の事件で、ユリアはもう、子どもが死んでいると思ってる。
思ってるけど、どうにかしてその居場所を探してやりたい・・・という母心に突き動かされている。
それを助けるのが、ギランバレー症候群で歩行もままならない父親のイェルロフ。
ユリアはイェンスがいなくなったときに、イェンスの傍にいなかった父親を責めつつ、自分のことも責めている。
その事で二人はとてもギクシャクしているんだけど、この事件が20年ぶりに動き出した事で、急速に二人の距離が縮まっていくのだ。父親のイェルロフが探偵役、体は不自由だけど頭はさえていて色々と推理を働かせる。決してスマートな感じにサクサクと解いていくわけじゃないけど、慎重に寡黙に真実に近づいていく様が見応えがあった。
イェンスがどこに行ったのかは、この、もうひとつの物語であるニルス・カントの物語を読み進めるしかない。
しかし、イェルロフの推理が真実に近づくのと、ニルス・カントの行動が核心に迫るのとが、次第に近づいていって緊張感がある。
愛するわが子を無くしてしまった母親ユリアの、深い後悔と喪失感が痛々しい。
が、やっとそれも癒されようと言うときに、明かされた真実は・・・・。

でも、最後の最後はホッとできた。辛く苦しく長い旅路にやっと終わりが来て、特に豪華でもないけど暖かいリビングで一息つけた・・そんな感じのユリアの心境だったんじゃないだろうかと思う。




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