【本】化合/今野敏

4062169827化合
今野 敏
講談社 2011-07-08

by G-Tools


1990年、バブルがはじけて間もない頃の物語。
とある殺人事件で、本庁に勤める若手刑事の菊川は、地元板橋署のベテラン刑事滝下と組む事になった。
事件には最初から烏山検事が介入して、現場の刑事たちはやりにくい。そして、事件は烏山が誘導するかのように、ひとつの事実を「作り上げて」行こうとしている。
抵抗する菊川に滝下は、検事が描く事件を我々が変える事は出来ないと言い放つ。
そんな滝下を軽蔑しそうな菊川だったが・・・。


事件そのものは何の変哲もない殺人事件で、地味と言えば地味。
だけど、その事件を解明しようとする警察内部の描写が、とてもスリリングでぞくぞくする。
烏山検事と言う敵がいて、反旗を翻したい主人公と、外見的には事なかれ主義の、相棒滝下をはじめ、他の刑事たち。
それがあまりにもリアルで、「冤罪はこうやって作られるんだろう」と、ぞっとした。
日本の刑事事件の有罪率は99%を越えているという。
検事は起訴したら99%有罪にするということらしい。
冤罪は五万とある・・・・警察は信用できない・・・などと、感じてしまう。
が、主人公達は、冤罪を生まないように奔走するし、上司にもたてつく。
事なかれ主義を通して、検事の意向に沿っておけば、自分たちは安泰なのに、あえてそうはしない。
そんな彼らにとても好感を感じたし、また、カッコよく感じてぞくぞくした。
事件自体は地味だけど、とてもドラマティックに盛り上がっていたと思う。

「ST」と言うシリーズものの前日譚らしい。
そのシリーズは未読だけど、また読んでみようと思う。


スポンサーサイト
21:41 : [本・タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(0)

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可

トラックバック

この記事のトラックバックURL